2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540379
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
堀田 貴嗣 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (00262163)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヤーンテラーフォノン / 近藤効果 / ラットリング / バイブロニック状態 / 磁性 / 軌道自由度 / 超伝導 / フェルミ面 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットリングとは、比較的軽い元素から成る対称性の高いカゴに内包される原子が、閉じ込められた空間の中で非調和振動をする現象であるが、様々なカゴ状物質で特異な物性を誘起していることが次第に明らかになっている。最終年度は、非調和ヤーンテラー振動、すなわちヤーンテラーラットリングに着目し、縮退した2種類の振動に対して、非調和ポテンシャルの影響を詳しく考察した。非調和ヤーンテラー振動子のエネルギー準位を解析したところ、カオスが出現することを発見した。これまで、電子とヤーンテラー振動が結合したバイブロニック状態にカオスが現れることは知られていたが、空間的特異点となる断熱ポテンシャル中の円錐型交差点によるものと認識されていた。実はそうではなく、非線形振動によるカオスであることが本研究によって明らかとなり、さらに、カオスが比熱の異常なピークとして現れ、カゴ状物質で実際に観測される可能性も指摘した。 次に、ヤーンテラーラットリングと結合する伝導電子系を数値繰り込み群法によって解析した。温度を下げていくと、まずエントロピーにlog3のプラトーが現れ、次にlog2のプラトーが現れる。さらに温度を下げるとlog2のエントロピーが放出され、近藤効果が起こる。エントロピーが変化するところで比熱にピークが現れる。温度が比較的高い領域のlog3のエントロピーは、立方非調和性によって生じた3つのポテンシャル最小点に振動子が局在することによる「位置の自由度」によるものである。非調和ヤーンテラー振動と電子が結合したバイブロニック基底状態は、3つの最小点を右回りと左回りに回る回転モードに起因した二重縮退を持つが、高い回転モーメントをもつ励起状態が生じる。それらのエネルギー差よりも温度が下がるとエントロピーはlog3からlog2に減少することになる。このように、ヤーンテラーラットリングによる近藤効果を明らかにした。
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[Presentation] Ryosuke Yamamura and Takashi Hotta2015
Author(s)
Valence Imbalance of Manganese Ions between Surface and Bulk due to Quantum Interference of Friedel Oscillations in Layered Manganites
Organizer
TMU International Symposium on "The Global Human Resource Program Bridging across Physics and Chemistry"
Place of Presentation
首都大学東京南大沢キャンパス、東京
Year and Date
2015-01-30 – 2015-01-30
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