2014 Fiscal Year Annual Research Report
プラズモン観測による膨張金属流体中の電子ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
24540401
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 和博 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50362447)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 液体金属 / 非弾性散乱 / 電子状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、金属流体、特にアルカリ金属流体を対象として、高温条件における非弾性X線散乱測定を行い、その電子状態を明らかにすることを目的としている。具体的に電子集団運動であるプラズマ振動に着目し、非弾性X線散乱を用いて振動エネルギーとその減衰、さらにはそれらの分散関係を測定することにより、課題の解決を目指す。今年度は、耐アルカリ金属腐食性専用セルのさらなる信頼性向上のため、これまで作製したモリブデンを材質としたセルに代えて、より電子ビーム溶接性が良好で作製歩留りの高いニオブを採用したセルの作製を行った。作製したセルを用いて液体ルビジウムを対象とし、1000℃における非弾性散乱スペクトルを取得することに成功し、プラズモン挙動の密度依存性を観測した。一方、融点直上での液体アルカリ金属の非弾性X線散乱実験も継続して実施している。今年度は、これまで取得した融点直上の液体セシウムに対するデータ解析と考察を進め、セシウムにおいても融解に伴いプラズモン分散関係の挙動が変化し、ルビジウムと同様、融解による長距離秩序の消失が分散関係の変化に大きく寄与することが明らかとなった。
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Research Products
(9 results)