2014 Fiscal Year Annual Research Report
エンタングルメントを用いた強相関トポロジカル量子相の研究
Project/Area Number |
24540402
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸塚 圭介 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授 (80291079)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | トポロジカル相 / スピン液体 / エンタングルメント / 冷却原子気体 / 磁化プラトー / 国際研究者交流(フランス) |
Outline of Annual Research Achievements |
Lecheminant氏をはじめとするフランスのグループと共同で、一次元冷却アルカリ土類フェルミ原子気体の有効模型である2軌道SU(N)ハバード模型の基底状態を、ボゾン化、強結合展開、数値計算などを用いて詳細に調べ、格子点あたりN個のフェルミオンがある場合の相図を完成させた。また、本課題の前年度までの研究でわかっていた一次元トポロジカルモット絶縁相の領域を正確に決定し、その性質を議論した(Physical Review Bに出版済)。さらに、エンタングルメントを用いてそのトポロジカルな性質を精密に議論し、トポロジカル相の実験での検出への第一歩として、非局所秩序パラメータの有効性を議論した(Physical Review Bに投稿予定)。 次に、強磁場中で実現するスピン液体相を調べるために、Toulouse大のグループと共同でカゴメ格子上の磁場中異方的ハイゼンベルグ模型の基底状態を調べた。異方性の強い極限でこの模型は3つの磁化プラトーを示すが、それらの基底状態の性質は実効的に、磁化の値により拘束条件の異なる量子ダイマー模型で記述される。量子ダイマー模型に対する過去の研究から、磁化0と1/3のプラトーはそれぞれ、スピン液体、スピン結晶(超格子構造を持つ秩序状態)であることが結論されるが、磁化1/6の場合は関係する先行研究が一切ないため、量子モンテカルロ法を用いて数値的に詳細に調べた。この結果、磁化1/6のプラトーはストライプ状の超構造を持つ秩序状態であることがわかった。また、模型に第3近接相互作用を入れて拡張することにより、スピン液体プラトーに到達できる可能性も示唆された(Physical Review Bに投稿予定)。さらに、一次元の対称性に護られたトポロジカル相が強磁場中のプラトーにも現れることを示した(Physical Review Bに出版済)。
|
Research Products
(7 results)