2014 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジカル渦度ダイナミックスの深化による渦と波の相互作用理論
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24540407
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福本 康秀 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (30192727)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁気回転不安定性 / 方位磁気回転不安定性 / Hain-Lust方程式 / 非理想MHD / ケプラー型回転流 / WKB法 / Landau-Darrieus不安定性 / 燃焼界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
軸方向磁場のみならず周方向磁場を外場として印加された場合の磁気回転不安定性においては非軸対称撹乱を扱う必要がある。従来の非軸対称撹乱に対する短波長安定性解析の扱いでは見落とされてきた項があることに気づき、理想MHD方程式のラグランジュ表現であるFrieman-Rotenberg方程式を動径変位に対する方程式に帰着させたHain-Lust方程式に基づいて解析する方法を開発した。回転流のシアの尺度をあらわす無次元パラメータがロスビー数Roで、方位角磁場の動径方向の変化率の尺度をあらわす無次元パラメータが磁気ロスビー数Rbである。Rb<-1/4のとき、Ro=0(回転角速度一定)を中心とする有限のRo領域で、長い軸方向波長の撹乱が成長することを初めて指摘した。さらに、非理想MHDの方位磁気回転不安定性をHain-Lust方程式に弱い流体粘性および電気抵抗の効果を導入することによって調べた。磁気プラントル数が小さい極限、すなわち、誘導なし極限においては、従来は、電流なし方位角磁場を受けるケプラー型回転流は、Liuの限界によって安定とされてきたが、動径波長の長い撹乱に対して不安定になる可能性を示した。 燃焼界面の不安定性として知られているLandau-Darrieus不安定性(LDI)をより一般的な枠組みから再検討した。燃焼反応によって渦度生成が起こる。密度の異なる流体を隔てる薄い層状領域があり、この層を流体が横切って、界面で生成された渦度を片側の領域にもち込むとする。これを基本流にとり、層の厚さゼロと近似できるような波長の長い3次元撹乱の成長を調べる。平面状の界面を横切る運動エネルギー流束に比べて撹乱を受けた界面を横切るエネルギーゆらぎの流束が十分大きいときに不安定性が起こることを一般的に証明した。この結果はLDIと整合する。
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