2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540422
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
本多 和仁 静岡大学, 教育学部, 准教授 (70408706)
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Keywords | 外部共振器型半導体レーザー / セシウム原子 / ルビジウム原子 / 磁気光学トラップ |
Research Abstract |
本年度はルビジウム原子に対するレーザー冷却の最初のステップである,磁気光学トラップによって,真空中でルビジウム原子気体を捕捉することの再現に成功した.また,次の目標である,セシウム原子のレーザー冷却のために必要なレーザー光源を作成し,セシウム原子の基礎的な情報を集めた. ルビジウム原子の磁気光学トラップを行う真空槽に使う部品はこれまでに購入していたので,これを組立て,真空を引き,熱処理を行うことで大気圧の10兆分の一程度の超高真空を実現することができた.また,ルビジウム原子のレーザー冷却に必要なレーザー光源を作成したり貸与を受けることで,磁気光学トラップに必要な強度と波長のレーザー光を得ることができた.これにより,ルビジウム原子の磁気光学トラップの再現に成功した. 一方,次の目標である,セシウム原子のレーザー冷却に必要なレーザー光源を準備した.本研究者はルビジウム原子は扱ったことがあるがセシウム原子は初めてであった.そこで,ルビジウム原子のレーザー光源を参考にしてセシウム原子のレーザー光源を設計した.これに基づいてセシウム原子のレーザー光源を作成した.また,同時にルビジウム原子用のレーザー光源も作成した.結果,どちらのレーザー光源も予期したとおり動作し,ルビジウム原子レーザー光源は前述の磁気光学トラップに用いた.一方,セシウム原子のレーザー光源は,セシウム原子の基礎情報を得るのに用いた.セシウム原子気体の入ったガラスセルにレーザー光を通し,レーザー光が特定の波長で吸収され,磁場によって吸収波長が変化するのを観測した.これらの情報は今後の実験に用いる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
異動により環境が代わり,さまざまな実験環境を立ち上げる必要があったため.特に,実験を行う除振台が狭く,実験の最終目標を達成するのが困難なため.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度にセシウム原子を制御するためのレーザーを作成したが,レーザー冷却を行うには光強度が弱いため,光アンプを作成する.また,波長坂などを用意すれば,セシウム原子の磁気光学トラップができる.上記が整えば,実験の進め方はルビジウム原子を用いた磁気光学トラップと変わりがないので,容易に達成できるだろう. また,YVO4レーザーを構成し,これを非線形光学結晶で波長を変換し,532 nmの高強度レーザー光を作成したい.
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