2013 Fiscal Year Research-status Report
NMRによる光制御型転写因子オーレオクロームの光構造変化とDNA結合様式の追跡
Project/Area Number |
24540435
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱田 格雄 大阪大学, 産学連携本部, 講師 (80379148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久冨 修 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60231544)
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Keywords | 光受容タンパク質 / 光構造変化 / NMR / タンパク質間相互作用 / 光制御 / DNA結合 / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究では、光で駆動するDNA結合能の有する転写因子であるオーレオクロームに着目し、その光励起から始まる一連のタンパク質の動きを明らかにしようとするものである。オーレオクロームでは、光励起からの活性状態と考えられている状態が、数分程度あるためにさまざまな測定に利用できると考えこのサンプルを用い測定を行っている。その中でも特に時間分解能的には、あまり有利ではないが、構造情報を豊富に取れるNMR測定を目指し、研究を続けている。 現在、測定に適したサンプル探しが続いているが、本研究の共同研究者が測定に最適と思われるサンプルを数種類見つけ作製している。光を当てて活性状態の時間が長いもの、また短いものに関わる知見とそれに携わる残基の情報の蓄積も続いており、メカニズムの解明にNMRが果たす役割は大きいと考えている。活性状態は数分から数時間まで現時点でコントロールが可能となっており、測定条件の選択肢は昨年度飛躍的に向上した。 また二量体化、DNA結合に関しても重要な知見が得られており、これらサンプルも測定する方向で進めている。ただ、NMR測定に使用する13Cや15Nなどのラベル体の培養・精製条件については、まだまだ改善の余地がありサンプル量が十分に取れているとはいえないこととバッファー条件などで若干測定に不向きな条件があり、このあたりの条件出しに昨年度はかなりの時間を割いた。 一方で共同研究者によるLOVドメインのツール化の取り組みが、ほぼ条件が出揃いタンパク質としての反応効率などの最適化は、ほぼ終了している。このアドバンスを活用すると共にツール化で得た知見も利用し、測定・解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サンプルの情報等々は順調に蓄積されており、あとは測定だけという場面を迎えていると考えている。測定条件出しで苦戦を強いられているが、サンプルのほうの条件は、ほぼ出揃ったといえるのでなんとしても測定にこぎつけねばならない。特に共同研究者の活躍はめざましいものがあり、なんとしても結果を出したいと思っている。NMRサンプル作製については、まだまだ改善の余地があることは事実であるが、測定はできると考えている。 研究計画的には、一年半で条件出しが完了する予定であったが、まだ条件出しが完了に至っていない。これは凝集体形成など新たに克服しなければならない問題が浮上してきたからであるが、これも共同研究者により回避するための手段が開発されてきている。このようにやや遅れはあるものの体制は整ってきており、測定はできるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
NMR測定と平行して分光学的測定も行い、凝集体形成反応などに対処するための手法を確立してきている。今後この条件を利用して測定を行う。変異体作製による活性状態の時間制御などの条件はほぼ出揃っているため、この情報を大いに利用し、測定条件を詰める。またこの光受容タンパク質と同種のタンパク質研究の発展・展開が現在すさまじい勢いで続いており多数報告が出始めている。実際、共同研究者は、光二量体化ツールとしての開発も始めており成果を上げて共同研究の幅を広げている。この流れに乗り遅れないように測定を続ける。
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Research Products
(3 results)