2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540437
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
浦上 直人 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (50314795)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 計算物理 / 自己組織化 / 分子認識 / モデル化 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内におけるゲスト分子に秩序構造の形成と変化を解明するため、(1)ゲスト分子による秩序構造の変化、(2)分子認識による秩序構造形成と変化に関して研究を進めてきた。
(1)ゲスト分子による秩序構造変化に関しては、「高分子鎖による油中水滴型ドロップレットの形状変化」についての研究を行った。その結果、ゲスト分子数の増加にともない、ドロップレットの形状が球状、棒状、ひも状、枝分かれ構造に変化する結果を得た。これらの構造変化は、実験で観察されている構造変化と一致している。ドロップレットの形状変化メカニズムを調べたところ、ゲスト分子の割合が多くなるに従って、界面活性剤表面にゲスト分子が吸着することが原因となっていることが分かった。つまり、より多くのゲスト分子が界面活性剤表面に吸着できるようにドロップレットの構造を変化させている。この結果は、Molecular Simulationに投稿し、掲載が決定している。また、「ゲスト分子によるベシクルの形状変化」についても研究を進めた。その結果、ゲスト分子が2分子膜に作用することでベシクルの形状が変化することを観察した。このシミュレーションは、今後も継続したいと考えている。
(2)分子認識による秩序構造形成に関しては、「修飾シクロデキストリンによる包接化合物形成」についてシミュレーションを行い、シクロデキストリンに高分子鎖を修飾した結果、多様な種類の包接化合物を形成すること観察した。また、修飾する高分子鎖長の変化により、形成される包接化合物の種類の割合も変化することを見出した。最終年度では、「シクロデキストリンによるミセルの崩壊」に関する研究も開始し、包接化合物を形成することでミセルが崩壊する現象を確認した。今後は、モデルの変更等を行い、より詳細に研究を進めて行きたいと考えている。
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Research Products
(5 results)