2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540443
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
横島 智 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (00532863)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 単一分子分光 / 励起状態 / アミロイドβ / 分子動力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
単一分子の円二色性分光を実験上可能にすることは、周囲の環境の影響により分子の性質がどのように変化したか、また揺らいでいるかを知るうえで、貴重な情報を与えてくれると考えられる。計算手法の開発も大事ではあるが、実験から必要な情報を取り出すための理論構築もまた大事であると考え、また、本来の研究目的とも合致することから、単一分子の円二色性分光の理論的解析法の導出と、実験上の課題を明らかにすることに取り組んだ。円二色性分光におけるg値を与える式を摂動の1次まで取り込んだ形で導出し、それを量子化学計算の励起状態計算と結びつけた。さらに、純粋な円二色性分光のg値ばかりでなく、実際の実験において入り込むアーティファクトを考慮した、不完全な円二色性分光におけるg値に対応する量(ここでは仮にg’値と呼ぼう)を与えることに成功した。さらに、この新たに導入したg’値を使って、不完全な円二色性分光の実験において幅広いg’値の分布がでてしまうもとになる因子を明らかにした。この取り組みをさらに進めていき、実験・理論の両方で手法の改良に取り組めば、周囲の環境のゆらぎの影響などを短い時間スケールで取り出すことが可能になると考えられる。 一方、アミロイドβについては、モノマーの局所安定構造の候補構造を生成するプログラムを自動化して、大量の候補構造を生成できるようにした。この計算については、分子動力学計算の計算量が大量になることから、現在、実行を継続している。
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Research Products
(6 results)