2013 Fiscal Year Research-status Report
海洋深層における数ヶ月~数年周期の変動流の実態把握と原因の解明
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24540468
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤尾 伸三 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (00242173)
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Keywords | 深層循環 / 係留流速計 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
再解析による海上風によって、係留流速を実施した期間の流速をハインドキャストとして細かな水平解像度による層モデルによって計算を行った。モデルの設定によって結果が大きく変わるため、現在、いくつかのケーススタディを実施中である。特に、層間の鉛直密度差は、ロスビー波の位相速度を決め、また、深層からの湧昇等は、波の到達距離に関係する。風で生じた変動が波として伝播するため、観測点に到達する時期等はこれらに強く影響される。このため、風の変動を反映すると思われるスペクトルのピーク等は観測とよい一致を示すが、変動流の大きさは観測値より弱く、向きや強い時期は合わない。 また、より現実的なモデルでの再現性を調べるため、他の研究機関が実施しているデータ同化モデルで得られている深層流を、観測値と比較をした。同化モデルは北太平洋しか含まないにも関わらず、平均流については観測とよい一致を示した。変動流は、モデルの方がやや大きく、位相は合わなかった。これは、位相については本研究で実施中の層モデルと同じ傾向である。 北太平洋の東西での流速計データの解析も並行して進めている。両者を比較すると、東太平洋の方が顕著に弱かった。このことは、西進するロスビー波が深層流の変動に重要であることを裏付けると考えられる。 合わせて、深層流の力学を考えるうえで重要な鉛直拡散係数のパラメタリゼーションについても観測データを利用して考察中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル計算を実施にやや時間がかかったため
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ハインドキャストの数値シミュレーションを進める。単純化されたモデルであるため、設定パラメータを陽に与えることは難しく、ケーススタディとしてパラメータに対する結果の違いを比較することを目ざす。
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Research Products
(3 results)