2014 Fiscal Year Annual Research Report
点渦モデルを用いた一般化された2次元流体系における渦運動の研究
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24540472
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩山 隆寛 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10284598)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 2次元乱流 / 一般化された2次元流体 / 渦粘性 / 渦減衰準正規マルコフ化完結近似 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,一般化された2次元流体における渦粘性の研究を行い,研究成果を流体力学における国際英文論文誌Physics of Fluidsに投稿し受理された(Physics of Fluids vol. 27, 045104 (18 pages).4月10日online版発行).
小スケール・短時間スケールの揺らぎは,大スケール・長時間スケールの現象に対して影響を与える.これは流体力学方程式の非線形性に基づくものであり,その影響の評価は物理的にも数値実験的にも重要で,渦粘性と呼ばれている.分子スケールの揺らぎは巨視的に眺めると拡散現象として記述できることから,渦粘性も長波長極限では拡散型になるものと信じられてきた.実際に,Kraichnan(1976)は2次元と3次元のNavier-Stokes方程式において,渦粘性は長波長極限において拡散型であることを理論的に示している.
本研究では,Burgess and Shepherd(2013)により導かれた,一般化された2次元流体の渦減衰準正規マルコフ化完結近似方程式を用いて,この系の渦粘性を調べた.その結果,渦粘性は一般には拡散型にはならず,Navier-Stokes方程式の場合にのみ拡散型になることを理論的示した.さらに一般化された2次元流体の乱流状態を直接数値計算によって実現し,その解析から理論的な結果の正当性を確かめた.渦粘性は流体の非線形性によって起こる現象なので,例え長波長極限であっても流体力学方程式の非線形項の形(幾何学)に依存するので一般には拡散型にはならないと解釈できる.
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Research Products
(7 results)