2014 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏尾部ダイナミクスに対するプラズマ波動のエネルギー散逸への寄与の評価
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24540483
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
篠原 育 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (20301723)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁気リコネクション / プラズマ波動 / 低域混成周波数 / 磁場拡散領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球磁気圏の近尾部リコネクション領域で観測された低域混成周波数帯のプラズマ波動強度とプラズマ流れの反転の関係を統計的に解析を行った.Geotail衛星は, 約20年間の観察において,46回の明瞭なフロー反転現象を観測している.46回のフロー反転現象の内,30イベントについてはプラズマ流および磁場の南北成分の反転と同時にion-electron decoupling領域とenhanced electron currentを観測する.一方,残りの16イベントについては無衝突リコネクションに特徴的なion-electron decoupling領域,enhanced electron currentの両方が見られない.今回の統計結果の最も重要な点は,低域混成周波数帯の波動エネルギー密度を基準としてactive X-lineとnon-active flow reversal現象を分離することができたことである.両者で観測される波動強度には大きな違いがあり,non-active flow reversalでは強い波動は観測されない.この結果は, 観測された低域混成周波数帯のプラズマ波動の励起がion-electron decoupling領域, あるいはenhanced electron currentと関係することを示唆している. 波動エネルギー密度の分布については朝夕非対称であることも見つかった.最もプラズマ波動はpre-midnight領域で観測された.磁気圏尾部の夕方側 Y=8Re に明瞭な境界が存在し,それより外側には強い波動は観測されない.一方,磁気圏尾部の朝方側には明瞭な境界はみられずに,外側に向けて徐々に波動強度を減少させる傾向を持つことがわかった.これらの新しい発見は,磁気圏尾部リコネクション領域の巨視的な三次元構造の理解に繋がる手掛かりの1つになるだろう.
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Research Products
(4 results)