2012 Fiscal Year Research-status Report
放射性セシウム汚染された土壌のファイトレメディエーションに関する実験的研究
Project/Area Number |
24540492
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
榊原 正幸 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (80202084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 栄 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10226037)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射性Cs汚染 / 福島県 / カヤツリグサ科マツバイ / 水耕栽培実験 / フィールド栽培実験 / 除染 |
Research Abstract |
本研究の目的は,カヤツリグサ科マツバイを用いて,放射性Cs汚染された土壌を除染するファイトレメディエーション技術を基礎的実験およびフィールド実験を行い,福島県の放射性Cs汚染の除染に実用化することである。本研究の目標は以下の2点にまとめられる。 (1) カヤツリグサ科マツバイのCsの最大吸収量および各媒体とBCFw(マツバイのCs濃度/水のCs濃度)およびBCFs(マツバイのCs濃度/土壌のCs濃度)との関係を明らかにする。 (2) 放射性Csによって汚染された土壌におけるマツバイによるファイトレメディエーションの実用化にまで展開する。 平成24年度に実施した①室内におけるカヤツリグサ科マツバイの水耕栽培実験,②福島県におけるカヤツリグサ科マツバイの小規模フィールド栽培実験を行った。①では、実験終了後のマツバイの最大Cs濃度はK濃度0.2 mg/l-DW;の葉で1880 mg/kg-DW、根で984 mg/kg-DW、マツバイ全体で1560 mg/kg-DWであった。②では、マツバイが最大で6000 Bq/kg以上の放射性Csを吸収可能であり,土壌とマツバイの放射性Cs濃度の間には正の相関が認められることが明らかになった。この結果は、福島県で2011年に実施された農林水産省による他の植物データと比較して著しく吸収効率が良い。これらの結果に基づいて,カヤツリグサ科マツバイによる放射性Csの除染技術が実用化にまで展開可能であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,カヤツリグサ科マツバイを用いて,放射性Cs汚染された土壌を除染するファイトレメディエーション技術を基礎的実験およびフィールド実験を行い,福島県の放射性Cs汚染の除染に実用化することである。本研究の目標は以下の2点にまとめられる。 (1) カヤツリグサ科マツバイのCsの最大吸収量および各媒体とBCFw(マツバイのCs濃度/水のCs濃度)およびBCFs(マツバイのCs濃度/土壌のCs濃度)との関係を明らかにする。 (2) 放射性Csによって汚染された土壌におけるマツバイによるファイトレメディエーションの実用化にまで展開する。 本研究の目的に関して、平成24年度は80%以上の実験成果を得ることができた。土壌栽培実験に関しては、平成25年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、予定通り、大規模なフィールド栽培実験を実施する予定である。対象は、福島県内の放射性Cs汚染された水田および湿地である。本研究では、新たに「マツバイマット」の作成方法を開発し、実際の作成も実施している。このマットを実験に使用し、より簡便でかつ安全な栽培方法を実践的に確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費は総額100,000円で,主に試薬、栽培・分析用具材に使用する。旅費は総額520,000で、福島県におけるフィールド実験および学会発表のための旅費で使用する。謝金は総額90,000円で,実験補助に使用する。その他は総額390,000円で、放射性Cs濃度測定の依頼分析に使用する。
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Research Products
(15 results)