2013 Fiscal Year Research-status Report
古生代末～中生代初期のパンサラッサ海における劣悪環境の出現と解消
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24540499
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
佐野 弘好 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80136423)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 希世子 芦屋大学, 教育学部, 講師 (20507131)
上松 佐知子 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (50466661)
指田 勝男 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (60134201)
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| Keywords | ペルム紀・三畳紀境界 / 劣悪環境 / 三畳紀前期 |
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| Research Abstract |
平成24年度ならびに25年度に研究目的達成のために相応しいＰＴ境界珪質岩セクションの文献調査および現地調査を行って，層序の連続性，岩石組織の保存状況（風化の程度）などの観点から，研究目的に適った下部三畳系黒色粘土岩・層状チャートセクションの発見に努めた．その結果，大分県津久見市日代海岸の下部三畳系上部～中部三畳系下部の層状チャートセクションが目的達成に相応しいと判断した．この年代範囲はPayne et al. (2004)が三畳紀古世～中世初期浅海炭酸塩岩で見出した炭素安定同位体比の変動時期に大きく重なる．
以上の点から平成25年度には，佐野，指田，上松が共同で層序の実測と試料採集を行った．佐野はチャートの構成鉱物，鏡下での特徴などの堆積岩石学的性質の把握，指田・上松はチャートセクションの放散虫化石の多様性，コノドント群集の変化などの古生物学的検討を開始した．桑原はSano et al. (2012)が報告した岐阜県山県市のＰＴ境界セクションのペルム系放散虫化石の詳細な群集解析および国際対比を継続して行った．
上松・佐野・指田は次の論文を投稿し，3月末に受理され現在印刷中である．
Agematsu, S., Sano, H., Sashida, K. (in press): Natural assemblages of Hindeodus conodonts from a Permian-Triassic boundary sequence, Japan. Paleontology.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ＰＴ境界期での劣悪環境の出現・開始よりもその衰微・解消の検討がより興味深いと考え，下部三畳系珪質岩の連続セクションの発見に努めてきた．しかし課題の目的達成に相応しい珪質岩，下部三畳系～中部三畳系下部のチャートの連続セクションの発見に時間を要したため，全体の進捗がやや遅れている．
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| Strategy for Future Research Activity |
研究目的の達成に向けて最も相応しいと考えた大分県津久見市日代セクションでの現地調査はおおむね終了しているので，チャートの岩相・構成生物，鉱物組成の層序変化，この結果を受けて全有機炭素量，炭素同位体比，Ｕ含量の測定を進める計画である．またこれらの測定のための試料と同一層準から得た試料を用いて放散虫・コノドント化石多様性の層序変化を明らかにする計画である．
また桑原が進めている中部ペルム系最上部～最上部ペルム系チャートの放散虫化石層序学的検討では平成26年度内の投稿をめざしてデータをまとめる計画である．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
検討セクション絞り込みの遅れによって当初計画の堆積学的・地球化学的検討が平成25年度に十分に実施できず，計画していた消耗品・物品の購入を控えたため．
本課題の最終年度にあたる平成26年度にはチャートの堆積岩石学・地球化学的検討を集中して行う予定であり，それに要する物品・消耗品の購入に充当する予定である．
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