2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒澤 正紀 筑波大学, 生命環境系, 講師 (50272141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹 公和 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (20312796)
安間 了 筑波大学, 生命環境系, 講師 (70311595)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 流体包有物 / 微量元素 / 花崗岩 / 丹沢 / PIXE |
Research Abstract |
平成24年度は、M-type花崗岩である丹沢複合岩体のユーシン岩体内部の流体組成を明らかにするため、玄倉川流域の花崗岩中の晶洞試料を中心に検討した。晶洞は花崗岩固結の際に放出された流体が岩体上部に集積して形成されたもので、花崗岩固結時の熱水流体の情報を持つ。ユーシン岩体は黒雲母角閃石トーナル岩からなり、部分的に小規模の晶洞やペグマタイト脈などを伴う。晶洞は、石英・緑泥石・黒雲母・緑泥石・カリ長石を主とし、少量の沸石(輝沸石、束沸石、菱沸石、中沸石等)、黄銅鉱、稀にリン灰石・チタン石等を伴う。晶洞の自形石英には5種類の流体包有物が含まれていた。主要な包有物は気相包有物と多相包有物で、多相包有物には複数の等方性結晶の他、少量の異方性結晶や不透明鉱物が含まれる。不透明鉱物は黄銅鉱か磁鉄鉱と考えられ、流体の金属濃度はそれほど低くないことが示唆された。多相包有物と気相包有物が明らかに共生している例も多く認められることから、流体の沸騰による形成が考えられる。多相包有物の均質化温度は主に400~480℃で、塩濃度は38~42wt%であった。次に多いのは、液相と気泡からなる2相包有物で、均質化温度は220~440℃であった。また、液相に富む液相包有物、微少な液体CO2包有物も少量存在した。これらの5種類の包有物は周囲の花崗岩の石英にも認められる。今後、これらの流体包有物を粒子線励起X線分析法 (PIXE) で分析してその構成元素と濃度を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備調査試料で研究を行ったが、花崗岩組織と晶洞の状況、石英中の流体包有物の測定など、予定通りの結果が得られたため
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Strategy for Future Research Activity |
採取済み試料は粒子線励起X線分析法(PIXE)による分析を進めると共に、丹沢山地東部のユーシン岩体の補足調査・研究を進める予定である。周辺に小規模の銅鉄鉱山が確認されたのでおの試料も分析を行う。また、比較的均質化温度が高いとされる畦ヶ丸岩体の中川川流域の調査と試料採取も行う。試料採取は晶洞及び石英脈など形成ステージの明確なものを対象とする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基本的には、調査および分析に必要な支出を行う予定である。薄片試料作成の謝金も併せて計上する。次年度に繰り越した費用(1,387,290円)については、予定通り、ICP-MS分析に必要なトーチなどの消耗品、PIXE装置の改良に必要なフランジ、その他の部品の購入に当てる予定である。研究分担者への配分経費もPIXE分析に必要な部品の購入に当てられる予定である。
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Research Products
(4 results)