2014 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧高温X線回折実験に基づくフェロペリクレイス内の鉄イオンのスピン転移の解明
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24540520
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松井 正典 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 名誉教授 (90125097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 祐司 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (10423435)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射光実験 / スピン転移 / 超音波測定 / フェロペリクレイス / 超高圧高温 / 下部マントル |
Outline of Annual Research Achievements |
放射光X線、超音波速度測定装置、焼結ダイヤモンドアンビルを組み合わせて、フェロペリクレイス(以下FP)の弾性波速度測定を行った。試料の化学組成は (Mg0.8Fe0.2)Oと(Mg0.5Fe0.5)Oの2種類用意した。試料は予め高圧プレスで焼結し、超音波加工機またはレーザー加工機で円筒形に加工した。FPのスピン転移の観察には40GPa以上の超高圧の発生が必要なため、2段目アンビルに細粒の焼結ダイヤモンドを用いた。アンビルのトランケーションサイズは1.5mmで、ヒーターにはTiB2 (+BN)を使用した。また、バッファーロッドにはアルミナ(Al2O3)を使用し、アルミナの結晶格子体積変化から圧力値を見積もった。 実験は大型放射光施設SPring-8のBL04B1に設置の川井型高圧発生装置SPEED-Mk2を使用した。超音波エコーの測定には高感度超音波エコー測定システムを使用した。常温にて慎重に加圧を行い、高圧セル内の差応力を緩和させるために荷重1MN、4MN、5MNにて約800℃まで加熱を行った。最高荷重5MN・圧力50GPaまで加圧した。X線回折パターンから、すべての圧力温度範囲でFP単相であることを確認した。超音波エコーは高圧セルが非常に小さいため、入力信号と超音波エコー信号の時間間隔が非常に短く、S/Nが非常に悪い。ハイパスフィルターなどのデータ解析を行うことで、試料両端の超音波エコーが確認できた。(Mg0.5Fe0.5)Oの試料において圧力40GPa以上で試料端面の超音波エコー強度に大きな変化があり、約40GPaで音響インピーダンスコントラストの変化が推定される。このことは約40GPaで何らかの弾性率変化が存在することが示唆される。今後更なる研究によって、こうした弾性率変化とスピン転移の関係を明らかにする。
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Research Products
(5 results)