2013 Fiscal Year Research-status Report
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24540524
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
森 康 北九州市立自然史・歴史博物館, その他部局等, その他 (20359475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 忠男 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (10156127)
池田 剛 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40243852)
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Keywords | 変成岩 / 交代作用 |
Research Abstract |
本研究は、変成岩における反応と変形の連結現象を速度論的に解明することを目的とし、蛇紋岩メランジにおける交代作用を主な対象として反応の進行に伴う岩石と流体の体積変化が岩石の変形に与える影響を考察する。 昨年度は西彼杵変成岩類の蛇紋岩メランジに見られる泥質片岩ブロックの交代作用について研究を行い一定の成果を得た。今年度も野外調査および室内研究を実施して成果の補強を行った。まとめられた成果を日本鉱物科学会にて発表したほか、その一部を論文としてEarth, Planets and Space誌に投稿し受理された。 また、今年度は野母変成岩類の蛇紋岩メランジに見られる泥質片岩ブロックの交代作用について研究を行った。こちらは泥質変岩ブロック中の裂罅に沿った流体の浸透を原因としており、様々な進行度のものが認められる。速度論的な解析の結果、反応の進行とともに空隙率の上昇と流体圧の低下が起きたことが推定された。この結果は西彼杵変成岩で得られたものとよく似ており、同様の現象が蛇紋岩メランジでふつうに起き得ることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に健康上の理由から進捗状況に遅れが生じた。現在はほぼ回復し、研究に復帰することができた。今年度は積極的に研究を進めた結果、野外調査、室内研究、成果公表ともほぼ順調に進めることができた。当初計画からの遅れはまだ残っており、取り戻すまであと少しの努力が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き積極的に研究を進める。特に今年度は、野外調査と室内研究の着実な実施を目指すとともに、研究分担者および研究協力者とのディスカッションと成果公表に重点を置く。 野外調査:長崎県西彼杵半島および野母半島にて踏査し、蛇紋岩メランジにおける交代作用の記載、反応と変形の連結現象の抽出、室内研究用試料の採集を行う。 室内研究:採集試料の薄片顕微鏡観察、密度測定、全岩化学組成分析、顕微ラマン分析などを行う。得られたデータを解析し、反応と変形の連結現象について速度論的考察を行う。 成果公表:研究成果を論文として投稿するほか学会にて発表を行う。
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