2012 Fiscal Year Research-status Report
パルスグロープラズマの高密度化と複合表面処理プロセスへの利用
Project/Area Number |
24540530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
高木 浩一 岩手大学, 工学部, 教授 (00216615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向川 政治 岩手大学, 工学部, 准教授 (60333754)
高橋 和貴 岩手大学, 工学部, 助教 (80451491)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プラズマ |
Research Abstract |
本研究の目的は、パルスパワーを利用して大容量・高密度グロー放電プラズマを、低圧から大気圧付近まで広い気圧範囲で生成し、材料表面処理などへ活用すること、および各気圧領域におけるグロー放電プラズマの物理と諸量を明らかにすることである。この目的達成のため、本年度は、1.グロープラズマ生成に適したパルスパワー電源の開発、2.大気圧グロー放電プラズマの生成とアーク転移条件の把握、3.低中気圧領域でのパルス駆動高密度プラズマの生成とその密度・エネルギーの把握を行った。 グロープラズマの生成に適したパルスパワー電源の開発では、IGBTスイッチを用いたパルス電源を用い、パルスマグネトロンプラズマ源の開発を行った。駆動周波数は300Hz、電圧は2kV、電流は100A、パルス幅は10μ秒と、大電力のパルス駆動プラズマ源の開発に成功した。スパッタターゲットとしてカーボンを、スパッタイオンにアルゴンを用いた場合、加えた電力の変化に対して、発光スペクトルで調べたカーボンとアルゴンのイオン比の変化は小さかった。今後、カーボンのイオン存在比が急激に増える、セルフスパッタ領域までパワーをあげられるように改良することが、課題となる。 大気圧グロープラズマの生成は、電極間に絶縁体バリアを挿入することでアーキングを防ぎつつ、かつ細線化しないように、電極配置などの工夫や、その際の生成したプラズマ密度計測などを行った。電極間に挿入したバリアに、導体の添付や、メッシュを用いた電界歪などで、効率よくプラズマ密度を増加させられることなどが明らかになった。 低気圧領域でRF電源を用いたICPプラズマの観測より、磁場配位によりプラズマの密度分布が変化すること、このプラズマを推進機に利用する場合、磁場からのプラズマのデタッチメントが重要になることなどの知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に記載した3つの項目に関して、研究を進める過程で、計画書に記載の方式とは異なるものもあるが、おおむね計画通りに進められており、研究成果も得られている。次年度に計画していた項目を実施する装置もおおよそ組みあがっている。以上の状況を鑑みて、上記のような達成度と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は、おおよそ計画通りに進められている。従って、今後も、大きな計画の変更はなく、例えばパルス電源のスイッチングデバイスの変更や、大気圧グロープラズマの生成に絶縁体バリアを活用するなどの、これまで得られた知見を基礎とした、細かな調整を行い、より成果が大きなものとなるように、調整しつつ、進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(8 results)