2013 Fiscal Year Research-status Report
パルスグロープラズマの高密度化と複合表面処理プロセスへの利用
Project/Area Number |
24540530
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
高木 浩一 岩手大学, 工学部, 教授 (00216615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向川 政治 岩手大学, 工学部, 准教授 (60333754)
高橋 和貴 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80451491)
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Keywords | 高密度プラズマ / パルスパワー / HiPIMS / プラズマ推進 / 表面改質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、パルスパワーを利用して大容量・高密度グロー放電プラズマを、低圧から大気圧付近まで広い気圧範囲で生成し、材料表面処理などへ活用することである。この目的達成のため、昨年度に引き続き、1.グロープラズマ生成用パルス電源開発、2.大容量・高密度グロープラズマの生成とアーク転移の防止、3.低中気圧領域でのパルス駆動高密度プラズマの生成を行い、更に、4.材料表面処理への応用、5.高速成膜への適用を行った。 高速成膜では、昨年度開発したグロープラズマ生成用IGBT電源を用い、大電力パルスマグネトロンスパッタ(HiPIMS)の実験を進めた。ターゲットは炭素、銅、タングステン、スパッタイオン源としてアルゴンを用いた。投入電力を上げることで、ターゲット材のイオンが増えることが、分光計測より明らかになった。また、磁場配位により、グロー放電からアーク放電への遷移を抑えられることも明らかになった。炭素材で成膜を行い、ラマン分析やXPS解析を行った。SP3とSP2構造の混在すること、またその比が投入パワーや、アルゴンの圧力によって変わることなどが明らかになった。材料表面処理では、昨年開発したバリア放電プラズマジェットで、高分子材料の高速大面積改質を行った。電極間に挿入したバリアに、メッシュを用いた電界歪などで、効率よくプラズマ密度を増加させられること、またそれにより改質の速度が上がること、親水基の付与が可能になることなどが明らかになった。低気圧領域でRF電源を用いたICPプラズマを用いた推力の計測より、発散磁場配位を用いることで、比推力を高められること、磁気プローブを用いた計測より、プラズマのデタッチメントに適した配位が存在することなどの知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一昨年に実施した3つの項目を、計画通りに発展させて、論文投稿などの成果につなげられたこと、また計画通りに、その3つの項目の成果を発展させて、2つの応用に結び付けて実施できている点など、おおむね計画通りに進められており、研究成果も得られている。次年度に計画していた項目を実施する装置もおおよそ組みあがっている。以上の状況を鑑みて、上記のような達成度と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も、おおよそ計画通りに進められている。従って、今後も、大きな計画の変更はなく、特に、いろんな固体ターゲットを用いた高速成膜や、いろんな種類の高分子材料の高速表面改質、プラズマ推進機としての性能改善など、より応用に近いところに力点を置きつつ進める予定である。
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Research Products
(22 results)