2013 Fiscal Year Research-status Report
グラフィックスプロセッサを用いた磁気回転不安定性の非線形シミュレーション
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24540533
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
龍野 智哉 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (60313011)
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Keywords | プラズマ物理 / 高速計算 / グラフィックスプロセッサ |
Research Abstract |
グラフィックスプロセッサ(GPU)には、グラフィックスカード内のグローバルメモリに加え、コンスタントメモリ、テクスチャメモリ、またプロセッサ上のコア間で共有できる共有メモリなど、メモリに階層構造がある。これまでの研究から、グローバルメモリを用いるだけでも数十倍程度の高速化が可能であることがわかっているが、メモリの階層性を考慮に入れ、更なる高速化の可能性を探った。 これまでに得られた FFT や積分計算の性能には満足しているので、今回は衝突項などに適用を検討している差分法を対象とし、高速化には、コアから近くアクセス速度の速い共有メモリをできるだけ活用することを指針とした。各コアで時間発展計算を担当するグリッドよりも多めにグローバルメモリから関数値を共有メモリにコピーし、共有メモリ内で10~数10回程度の時間発展を行う。アクセス速度の遅いグローバルメモリへのアクセスを、毎時間ステップから数10回に一度へと減らすことで、高速化が実現できると考えたわけである。 また CUDA Visual Profiler を用いてコアレッシング、バンクコンフリクト、ダイバージェント分岐などの遅延要素を一つずつ解消するような地道な作業を行った。1次元問題への適用は期待通りに働き、すべての計算をグローバルメモリ上で行ったときと比べて2倍程度の高速化に成功した。しかし多次元問題では効率が落ちて数%程度の高速化にとどまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
差分法による偏微分方程式の計算が効率よく高速化できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はコードを早急に完成させ、物理の解析に移りたい。また同時に差分法の高速化については、他に公開されているコードなども参考にして進めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は他の経費にゆとりがあり、本経費から旅費を支出しなかったため。 今年度は夏以降に集中的に研究を進め、学会等でも発表を行っていく予定である。
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