2014 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン-小角X線散乱同時測定によるイオン液体の二酸化炭素吸蔵機構の研究
Project/Area Number |
24550009
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森田 剛 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 准教授 (80332633)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イオン液体 / 小角X線散乱 / 二酸化炭素吸蔵 / ラマン散乱 / チタンセル |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン液体は二酸化炭素を多量かつ高選択に物理吸蔵する特性をもつ。本研究では、二酸化炭素溶解度の高いイミダゾリウム系イオン液体を対象試料として用いた。X線吸収測定による密度測定、ラマン散乱測定、小角X線散乱測定を行い、微視からメソスケール及び巨視的情報を複合してゆらぎ構造を考察した。実験と解析の結果、3つの圧力領域に特徴が見られた。0 - 7 MPaの低圧域では過剰モル体積が減少しゆらぎ構造に直接関係する角度ゼロにおける散乱強度がゆるやかに増加した。これはイオン液体がカチオン - アニオン間のクーロン相互作用を保持したまま空隙に効率よく二酸化炭素を吸蔵し、部分的かつ相似的に膨張するためであると考えられる。7 - 10 MPaの中圧域では過剰モル体積が増加した。ラマン散乱測定の結果から、超臨界二酸化炭素で観測される凝集状態の変化に伴う特有のピークシフトが見られなかった。このため、イオン液体中の二酸化炭素の凝集状態は気体的であって、neatな超臨界二酸化炭素とは異なり、液体的な密な凝集状態は形成していないと考えられる。また、10 - 20 MPaの高圧域では過剰モル体積や散乱強度がほとんど変化しなかった。中圧域で二酸化炭素の吸蔵に対して安定的な構造を取ったイオン液体は、その構造を維持しながらわずかな二酸化炭素を空隙に取り込み、圧縮されていくと考えられる。
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Research Products
(3 results)