2014 Fiscal Year Annual Research Report
クラスレート化合物の結晶化制御と、新規な結晶および準結晶構造の設計
Project/Area Number |
24550025
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松本 正和 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (10283459)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 理論化学 / 物理化学 / 分子動力学シミュレーション / 統計力学理論 / クラスレート化合物 / 相転移と臨界現象 / 核生成・結晶成長 / 準安定相 |
Outline of Annual Research Achievements |
シミュレーションにより、様々な相転移過程における、新規な準安定構造・中間状態の発見があった。(1)高圧下での氷VIIの融解相転移において、氷VIIとプラスチック氷相の間の相転移が高圧で二次相転移、低圧で一次相転移となり、その境界に三重臨界点が存在することを明らかにするとともに、臨界指数などの詳細な解析を行った。(2)高圧の液体(超臨界水)を圧縮して氷VIIが生じる過程で、未知の準安定結晶が生じることをつきとめ、その結晶構造を明らかにした。水素結合している領域とプラスチック的な領域(分子が自由回転する)が一つの単位胞の中に混在する点もこれまでにない特徴である。(3)氷(Ih)が融解する過程を詳細に解析し、対欠陥の生成と分離が融解のきっかけとなることを明らかにした。(4)メタンハイドレートの分解過程を詳細に解析し、分解速度を決定する全因子を明らかにした。ハイドレートが分解して生じる泡が分解速度を支配していること、泡の生成を制御すれば分解速度を制御できることを明らかにした。 クラスレート族の安定性の理論は多少の進展があったが、新規な安定相の発見・予言には至らなかった。(1)クラスレートハイドレートの安定性に関する理論を拡張した。従来の理論が、ゲスト分子が含まれない空のハイドレートを基準状態としていたのに対し、完全充填状態を基準状態ととりなおすことで、より精度の高い計算が可能となった。(2)クラスレートハイドレートの結晶構造則をより明快に理解できる、一般化相図を提案した。どの結晶構造が安定相として出現しうるか、ある準安定相の安定性がどのような条件で安定相に近付くか、といった、安定性に関する基本的な情報を、ゲスト分子の種類や混合比や圧力などに関係なく知ることができるので、未知の結晶構造を探索したい人のための「地図(Atlas)」の役割をはたす。
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[Journal Article] 水素を含む高圧氷の構造と熱力学的安定性2014
Author(s)
Hakim, L., Yagasaki, T., Matsumoto, M. & Tanaka, H.
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Journal Title
高圧力の科学と技術= The Review of high pressure science and technology
Volume: 24
Pages: 265-269
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Melting Dynamics of Ice2014
Author(s)
M. Matsumoto
Organizer
The Eigth International Conference on 
the Science and Technology for Advanced Ceramics(STAC8),
Place of Presentation
Yokohama (Mielparque Yokohama)
Year and Date
2014-06-26 – 2014-06-26
Invited