2014 Fiscal Year Annual Research Report
カルバゾール等の複素環を高度に集積した多次元π共役系化合物の創製と物性
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24550040
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 洋介 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (60261864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 真一郎 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (70586792)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 複素環 / カルバゾール / チオフェン / 光物性 / π共役 / ドナー / シクロファン / ホスト |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)エチニル基とアジド基を有するカルバゾール誘導体の三分子クリック反応により,カルバゾールとトリアゾールからなる環状三量体1の合成に成功した。この環状三量体1は溶液中で自己会合すること,およびアニオン,特にヨウ化物イオンなどの大きなアニオンと高い錯形成能を示すことが見い出された。また,環状三量体1のカルバゾールをフルオレンに置き換えた環状化合物2,および環状三量体1のトリアゾールをトリアゾリウムに変換した環状化合物3の合成にも成功し,これらがハロゲン化物イオンに対して1よりも高い錯形成能を示すことが明らかとなった。特にトリアゾリウムを有する3は,1より数十倍大きな錯形成定数を与えた。 (2)カルバゾールの1,8位にエチニルカルバゾール部位を導入した非環状ホスト化合物をさらに数種類合成し,TENF等のアクセプター分子との錯形成について,NMRスペクトル,吸収スペクトル,蛍光スペクトル,IRスペクトル,CV,ITC等により検討し,ホスト化合物の構造と会合定数との相関について明らかにした。すなわち,導入するカルバゾールのN位での連結,カルバゾール上への電子供与基の導入が錯形成能を向上させることが示された。 (3)チオフェンとフランからなる環状化合物の合成に成功し,その諸物性を明らかにした。特に,すべてチオフェンからなる環状化合物と比較し,チオフェンの一部をフランに置き換える効果について明らかにした。フランの導入により,特にドナー性が向上することが示された。 (4)ジベンゾフランの3,7位をジシロキサンで架橋したシクロファンの合成に成功し,これがエキシマ-蛍光を示すことが示された。この結果は,ジベンゾフランの2,8位をジシロキサンで架橋したシクロファンが,エキシマ-蛍光とモノマー蛍光の両方を与えたのとは対照的である。
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[Journal Article] A Series of π-Extended Thiadiazoles Fused with Electron-Donating Heteroaromatic Moieties: Syntheses, Properties, and Polymorphic Crystals2015
Author(s)
S.-i. Kato, T. Furuya, M. Nitani, N. Hasebe, Y. Ie, Y. Aso, T. Yoshihara, S. Tobita, Y. Nakamura
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Journal Title
Chemistry A European Journal
Volume: 21
Pages: 3115-3125
DOI
Peer Reviewed
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