2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24550042
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三治 敬信 東京工業大学, フロンティア研究機構, 教授 (00287484)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 典型元素化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
π共役系の側鎖または主鎖中にホウ素、ケイ素、あるいはリンを導入すると、π電子とホウ素の空のp軌道とのp-π*共役、またケイ素とのσ-πあるいはσ*-π*共役、またリンの孤立電子対とのn-π共役などの軌道間相互作用によって特異な電子状態また興味深い光物性を示す。ここで複数個の異なる典型元素をπ共役系へ導入した場合には、同一分子内にそれぞれp-π、σ-π、σ*-π*、あるいはn-π共役が存在することになる。これらの複合型交差共役系を合成し、その電子状態および吸収、発光特性について検討した。 例えば、オリゴ(p-フェニレンエチニレン)の側鎖に例えばジメシチルボリル(B)基とジフェニルホスホリル(P)基を導入したX型化合物を合成し、その光物性について調査した。その結果、吸収および蛍光スペクトルにおいて長波長シフトが観測され、母体のp-フェニレンエチニレン骨格のπ共役に対し、側鎖方向にホウ素によるp-π共役とリンによるn-π共役の異なる共役系が同一分子内に存在することが示唆された。またリンは多様な結合様式をとることが出来、例えば酸化(-P(=O))によるスペクトル変化、フッ化物アニオンの添加によるホウ素アニオンの生成によってもスペクトル変化が観測された。さらに分子軌道計算を行い、HOMOおよびLUMOがホウ素、ケイ素、あるいはリンを導入によって大きく摂動すること確認した。 またこれらの研究途中で、トリメチルシリル基とペンタフルオロフェニル基を同一分子内に有する化合物に触媒量のフッ化物アニオンの添加することで連鎖的重縮合が進む、新しい重合を開発することが出来た。
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Research Products
(5 results)