2014 Fiscal Year Annual Research Report
テトラチエニルメタンの部分官能化体を用いた三次元拡張π電子系化合物の自在合成
Project/Area Number |
24550049
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
松本 幸三 専修大学, 経営学部, 准教授 (40311766)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オリゴチオフェン / 合成有機化学 / 構造有機化学 / デンドリマー / 拡張π電子系化合物 / 材料科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
テトラキス(2-チエニル)メタン(1)の非対称型の誘導体や1を基盤とする精密な分子設計を施した三次元拡張型オリゴチオフェン類を自在に合成することを目的に研究を行った。1の合成法は申請者が独自に開発したものであるが、1を原料として用いることができるように1の大量合成を試みた。大量合成に適した効率的な精製法が開発できたことで、鍵原料となる2-フルオロ-5-シアノチオフェンを一度に30 g、1を一度に10 g得ることが可能になった。 1を基盤とする三次元拡張型オリゴチオフェン類を自在に合成するための鍵原料となる1の三種類の部分ブロモ化体はすでに得られていたが、特にモノブロモ体の合成についてはより効率的な合成法を開発する必要があった。さらに検討した結果、1に1当量のNBSを加えて得られる混合物に対して、シクロヘキサンを展開溶媒にしたカラムと再結晶を繰り返すことで生成物の分離が比較的効率的に行えることが分かった。その結果、53%の収率で高純度のモノブロモ体が得られた。また同時に、18%の収率でジブロモ体が得られ、1のジ置換体を得るための方法として、1のジシアノ体とジブロモ体を使い分けることができるようになった。それまでに開発したトリブロモ体の合成と合わせて、3種類の部分ブロモ化体が1 g以上得られるようになり、1を基盤とする種々の三次元拡張型パイ電子系化合物が合成可能となった。 これらの部分ブロモ化体の有用性を示す一つの例としてデンドリマー型の分子(2)を1のテトラキス(トリブチルスズ)体と4分子の1のモノブロモ化体とをカップリングさせることによって合成した。さらにドナーとアクセプターとを併せ持つ1の誘導体の合成も検討している。
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Research Products
(3 results)