2014 Fiscal Year Annual Research Report
電荷分離型中性配位子を利用した多孔性軽金属錯体の構造多様化
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24550068
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野呂 真一郎 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (70373347)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多孔性金属錯体 / 軽金属イオン / 分離 / 柔軟性構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年までに得られた知見を基に、軽金属イオンの配位子としてCOOH基とN+-O-基を有する有機分子を用いて柔らかい構造を有するマグネシウム錯体を合成し、その構造を単結晶X線回折測定により決定した。得られたマグネシウム錯体はマグネシウムイオンと有機配位子から二次元シート構造が形成し、それらが積層した集積構造をとっていた。層間には塩化物イオン、ジメチルアンモニウムイオン及び水分子が取り込まれていた。この層状構造体は層間に可逆的に大量の水分子をとりこむことができ、その際に層間距離の拡張・収縮が起きることが明らかとなった。多孔性軽金属錯体で構造柔軟性をもつ例はほとんど無く、本研究で設計した有機配位子が構造柔軟性を付与する適切な分子であることを見いだした。また、各種アルコールの吸着実験を行ったところ、分子サイズがおおきくなるほど、層間に取り込まれにくくなることがわかった。このような吸着選択性を利用して、水/2-プロパノール混合蒸気からの水の選択的分離能を評価した。マグネシウム錯体は、非常に短時間で水分子のみを高選択的に吸着除去し、その吸着速度は脱水剤として利用されているゼオライトと同程度であった。さらに、再活性化能を調べたところ、マグネシウム錯体は室温における20分の真空処理で完全にその吸着除去能力が再生されることがわかった。ゼオライトでは再活性化に加熱真空処理が必要であることから、本研究で得られたマグネシウム錯体は非常に高効率に水/2-プロパノール混合蒸気から水を吸着分離できることが実証された。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Mesophases and Ionic Conductivities of Simple Organic Salts of M(m-Iodobenzoate) (M = Li+, Na+, K+, Rb+, and Cs+)2015
Author(s)
Manami Endo, Yuta Nakane, Kiyonori Takahashi, Norihisa Hoshino, Takashi Takeda, Shin-ichiro Noro, Takayoshi Nakamura, and Tomoyuki Akutagawa
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Journal Title
The Journal of Physical Chemistry B
Volume: 119
Pages: 1768-1777
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Crystal structures, CO2 adsorption, and dielectric properties of [Cu(II)2(R-benzoate)4(pyrazine)]∞ polymers (R = m-F, 2,3-F2, m-Cl, and m-CH3)2014
Author(s)
Kiyonori Takahashi, Norihisa Hoshino, Takashi Takeda, Shin-ichiro Noro, Takayoshi Nakamura, Sadamu Takeda, and Tomoyuki Akutagawa
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Journal Title
Dalton Transactions
Volume: 43
Pages: 9081-9089
DOI
Peer Reviewed
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