2014 Fiscal Year Annual Research Report
フルカラー有機EL発光を目指した単一低分子金属錯体固体の発光色自在制御の研究
Project/Area Number |
24550082
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
篠崎 一英 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (40226139)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カラーチューニング / 白金錯体 / 白色発光 / エキシマー発光 / 時間分解発光 / キネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
溶液中や固体中で、分子間相互作用(π-π相互作用やPt-Pt相互作用)によるドラスティックな発光色変化を示すN^C^N型3座配位子をもつPt(II)錯体について、その発光色のファインチューニングを行い、RGBフルカラーを実現させることを目的として研究した。この錯体は分子間相互作用が無い希薄溶液中では強い緑色発光を示すが、N^C^N型配位子にフルオロ基を導入することにより、その発光を青色へと変えることに成功した。溶液内の錯体濃度を増加させると、錯体分子間相互作用が起こり、0.001M溶液ではその発光色はオレンジ色へと変化することを確認した。興味深いことに0.0001M溶液では発光は白色となった。この発光色変化は、これまで知られていた励起2量体形成に加えて、励起3量体形成も同時の起こっていることが原因していることが、時間分解発光スペクトル測定から明らかとなった。この過渡現象について、詳細な速度論的解析を行い、単量体、2量体、3量体の励起寿命(それぞれ12.8マイクロ秒, 2.13マイクロ秒, 0.68マイクロ秒)、および2量体形成速度、3量体形成速度を決定した。光励起直後から、時間経過とともに励起2量体形成に続いて励起3量体が形成されることは、観測される発光もナノ秒領域の短い時間で色変化していることを示唆している。その目視不可能な発光色変化をCIE色度図を使って表示することに成功した。その結果、励起2量体と共に励起3量体が生成する0.001M溶液においては、光励起後50ナノ秒では青緑色、100ナノ秒後は白色、1600ナノ秒では赤色の発光であることがわかった
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