2013 Fiscal Year Research-status Report
細胞内に導入した金属ナノ粒子のリアルタイム共焦点顕微観察法の開発
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24550091
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
藤原 一彦 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10375222)
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Keywords | 金ナノ粒子 / プラズモン / 共鳴散乱 |
Research Abstract |
生命活動はタンパク質の代謝物輸送機能,反応触媒機能に大きく依存している。すなわちタンパク質はDNAを設計図とした生体内の機動部隊であると言える。地球上のあらゆる生命体の全遺伝子が解読されつつある現在,生命活動の更なる詳細を明らかにするため,タンパク質の機能解明が重要視されている。タンパク質の機能は多種多様であるが,いずれの場合にも反応を起こす準備段階として,特定の脂質や核酸,または異種のタンパク質とで複合体を形成する場合が多い。タンパク質は温度や塩濃度,pHなどの周囲環境の変化によって容易に変性が起こるため細胞の状態でそのまま測定,解析できることが望ましいといえる。よって細胞内タンパク質の動態解析は,腫瘍マーカーをターゲットにした医療診断や低分子量薬剤設計において極めて重要である。 金ナノ粒子はその局在表面プラズモン共鳴(LSPR)により特定波長の散乱光を増強し,粒子周囲の屈折率変化をセンシングできる特性を有する。すなわち,金ナノ粒子表面へ目的タンパク質や薬剤化合物を修飾し,細胞内へ導入することで,LSPR光散乱により,細胞内での局在位置と分子間相互作用を同時検出可能な高効率細胞アッセイが実現できる。 本研究では,化学機能を複合化した金ナノ粒子を細胞内への導入し,金ナノ粒子の有する局在表面プラズモン共鳴(LSPR)を利用することで,細胞内に導入したナノ粒子の局在位置のリアルタイム可視化を行い,細胞のナノ物質取り込み機構解明に資する方法論の確立を目的とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チオール化合物およびナノ粒子結合性ペプチドに加え、イムノグロブリン等のタンパク質によるナノ粒子の高効率表面修飾法の開発が堅調に進捗している。また、細胞内に導入した金ナノ粒子の毒性評価に加え,内在化したナノ粒子の定量方法の確率もできている。従って、本研究は当初の予定通り順調に進行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
顕微鏡下で利用可能なCO2インキュベータを導入した。今後は本研究の最終目標である顕微鏡下での細胞内ナノ粒子のリアルタイム観察を中心に研究を進行する。
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