2014 Fiscal Year Annual Research Report
液液界面におけるデンドリマーの反応特異性と電気化学的分離・検出系の構築
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24550097
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
永谷 広久 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (90346297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井村 久則 金沢大学, 物質化学系, 教授 (60142923)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ドラッグデリバリー / 界面吸着 / 分子包接 / イオン移動 / 電位変調蛍光分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
溶液内および分極された液液界面におけるポリアミドアミンデンドリマーとイオン性薬剤分子の会合挙動についてイオン移動ボルタンメトリーおよび電位変調蛍光分光法を用いて検討した。カチオン性の薬剤分子であるプロプラノールおよびジピリダモールの水溶液の吸収・蛍光スペクトルはpHに依存して変化したが、デンドリマーの共存による明瞭なスペクトル変化は観測されなかった。一方、プロプラノールとアミノ末端のG4 PAMAMデンドリマー共存下の液液界面におけるイオン移動ボルタモグラムは、塩基性条件においてプロプラノールのイオン移動応答の電位シフトが観測された。また、酸性条件下では界面吸着に起因する電気化学応答が得られた。カルボキシ末端のG3.5 PAMAMデンドリマー共存系ではこれらの変化は観測されなかったため、デンドリマーの末端官能基に依存してプロプラノールとの静電的および疎水性相互作用が変化し、界面反応機構に影響していることが示唆された。一方、ジピリダモールはプロトン付加により、水相および有機相への溶解度が著しく変化する。酸性条件では、ジピリダモールのプロトン付加体のイオン移動に加えて界面吸着過程が生じていることが明らかになった。G3.5 PAMAMデンドリマーの共存下では、デンドリマーが正に帯電する酸性条件下では静電反発、負に帯電する中性条件では静電相互作用により、ジピリダモールの界面反応機構が変化することが示唆された。
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