2013 Fiscal Year Research-status Report
触媒反応を利用する有害元素の高感度オンサイト測定法の開発と実用化
Project/Area Number |
24550099
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
川久保 進 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (90143958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 保任 山梨大学, 医学工学総合研究部, 講師 (20262644)
植田 郁生 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (50598688)
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Keywords | 環境分析 / オンサイト分析 / 反応速度法 / 触媒反応 |
Research Abstract |
本研究は、分析成分の触媒作用を利用する高感度オンサイト計測法の開発とその実用化を目的とする。本年度は、水銀の高感度比色定量法の開発を継続するとともに、カドミウムのオンサイト計測法の開発に着手した。 1.水銀の高感度比色定量法の開発 前年度の研究報告で本法を実際試料に応用するとき塩化物イオンの分離が必要になることを指摘したが、今年度の研究で水銀の吸収に用いる過マンガン酸イオンは亜硝酸塩では完全に分解できず定量の再現性を悪くしていることを発見した。亜硝酸塩の代わりに塩酸ヒドロキシルアミンを使ってこの問題を解決した。この他、気化分離の容器(コンウェイ微量拡散容器)をアンモニア-過酸化水素溶液で洗うと吸収溶液の濡れが良くなり、吸収溶液の吸収面積を大きくできることなどを発見し、分析操作を改善した。購入したポータブル多項目水質計で、次年度、実際試料の分析を行おうとしている。 2.カドミウムのオンサイト計測法の開発 他の分析法としてカドミウムのオンサイト計測法の開発に着手した。亜鉛のポルフィリン錯体の生成におけるカドミウムイオンの触媒作用を利用する定量法の性能を調べ、オンサイト計測できるように反応温度の扱いや小型比色計による測定を検討した。その結果、一定反応時間の吸光度を測定して1 ng/mL程度の誤差でカドミウムが定量できることが確認でき、現場の反応温度(水温)で求めた吸光度を、検量線作成時(25℃)の吸光度に換算する式を作ることに成功した。これによって試料採取現場で反応温度の制御する必要がなくなった。吸光度測定値は亜鉛ポルフィリン錯体と未反応ポルフィリンの吸収を含むため、測定波長幅が広い簡易比色計では分光光度計と同じ値が得られなかった。本研究ではこれらの吸光度の値の換算式も考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
水銀の高感度比色定量法については、塩化物イオンの影響の除去が課題になってやや遅れている。水銀の定量が難しい場合を考えてカドミウムのオンサイト計測法の開発に着手し、実際試料をオンサイト定量して応用性を確かめる段階にある。平成26年度にどちらかの元素の高感度オンサイト測定法を確立する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
水銀の高感度比色定量法の開発とカドミウムのオンサイト計測法の開発を並行して進め、平成26年度にはいずれかのオンサイト分析法で実際試料に応用できるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品等の定価の変更や調達方法の工夫などにより、当初計画より経費の使用が節約できたことにより生じた未使用額である。 次年度の消耗品や旅費の一部に充てる。
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Research Products
(2 results)