2014 Fiscal Year Annual Research Report
不斉ピラジノジヒドロピレン系増感剤を利用した円偏光発光色素の開発
Project/Area Number |
24550120
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
澤田 剛 鹿児島大学, 自然科学教育研究支援センター, 准教授 (90240902)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 円偏光 / 光応答性 / ジヒドロピレン / 光学分割 / キラリティ / 発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、平成25年度までに合成したピラジノジヒドロピレン(PZ-DHP)類に関して、光異性化挙動、および光学分割、円二色性スペクトル特性に関する評価を行った。具体的には、無置換のPZ-DHP、銅錯体型リン光発光錯体、および熱活性化型蛍光発光DHPの単離精製と光応答性の評価、さらにキラルHPLCを利用した光学分割を試みた。その結果、これらPZ-DHP類が高い光応答性を示すことを見い出し、無置換のPZ-DHPの光学分割に成功した。さらに光学分割したPZ-DHPに関して、光照射下にCDスペクトルを測定した結果、明確なCDスペクトルの光応答性が観測された。このことは、光応答性円偏光フィルタとしての可能性を示している。 平成24年度から平成26年度までの研究期間において、種々のPZ-DHP系分子類を合成し、光異性化挙動、光学分割、キラリティなどを評価した。その結果、この系列の分子類が迅速な光異性化挙動を示し、光学分割可能であり、光異性化条件下でもラセミ化は進行せず不斉構造を維持し、同時に強い発光性を示すことを明らかにした。具体的には、PZ-DHP類の合成、光応答性、またそれらの光学異性体が特有の光応答性CDスペクトルを示すことなどを2報の学術論文に発表し、7件の国内外の学会発表にて報告した。今後の課題は、PZ-DHP類の円偏光発光素子への応用であり、これらの円偏光発光における光応答性を評価し、同時に高輝度化、薄膜化、素子化を検討することである。
|