2013 Fiscal Year Research-status Report
電気泳動するデザイナーポリエステルの創出と骨再生材料への応用
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24550132
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
高須 昭則 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30303697)
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Keywords | 電気泳動堆積 / チオール・エン反応 / 生体活性ガラス / バイオミネラリエーション / 複合材料 / 酸化チタン / 光触媒 |
Research Abstract |
<目的>本研究では、骨(ヒドロキシアパタイト)の形成を促す生物活性ガラス(バイオガラス)を金属基盤に効率よくコーティングする手法の確立し、次世代の再生医療材料への展開を目指した。バイオガラスは、一般的なガラスよりも、SiO2の割合が少なく、NaやCaの割合が高くP2O5が新たに含まれている。一方、電気泳動コーティング(EPD)法は電場存在下での荷電粒子の沈着現象で、懸濁液に浸した基板上にナノからマイクロメートルのスケールで膜を形成することが可能な手法である。今年度は、ポリ(エステル-スルホン)の構造がEPDに及ぼす影響、その表面におけるヒドロキシアパタイトの再石灰化を検討した。 <結果>ポリ(エステル-スルホン)(Mn=28000, Mw/Mn=1.9)を用いてEPDを行った結果、バイオガラスとの安定な複合膜をアノード選択的に形成することができた。メチレン鎖長の異なるモノマーや芳香族環を導入することでEPDの挙動が変化したことから、メチレン鎖長や結晶性が影響することが分かった。1H NMRおよび走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、EPDの前後でポリマーの構造が保持されていること、バイオガラスとポリマーが均一に複合化していることもわかった。さらに、得られた複合膜上でのヒドロキシアパタイトの再石灰化も確認できた。24年度の研究結果を踏まえて、太陽光照射下において有機物の分解・浄化を行う光触媒効果を有する酸化チタンとの複合膜表面の特性解析も行った。結果、酸化チタンとのとの安定な複合膜もアノード選択的に形成することができた。得られた複合膜上での光触媒効果が確認できたことから、酸化チタン由来の機能性を保持したフレキシブル材料の創成に成功した。次年度は、骨再生材料以外への応用を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度の研究結果も踏まえて、この技術を光触媒と共に用いれば、光触媒(TiO2)とポリエステルとの複合膜形成による革新的コーティング技術に発展することが期待出来る。本研究結果は、光触媒作用を活用した、環境汚染物質の分解以外にも、色素増感型太陽電池、電子ペーパーなどにも応用が期待できる。我々独自の『非イオン性高分子の電気泳動挙動』と『ポリエステルと無機物質からなる複合材料』を念頭に、骨再生材料以外にも研究者の学術的興味と日本の産業の発展を同時に満たす将来を見据えた研究に発展する兆しが見えた(研究が2014年4月9日に日刊工業新聞に掲載された。)。
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Strategy for Future Research Activity |
電荷をもたない高分子の電場での泳動挙動が研究者の学術的興味を駆り立て、期間内に構造の普遍性を提示する。電気泳動コーティング法によるバイオガラス(ヒドロキシアパタイトの形成を促す物質)のほか各種無機化合物(光触媒)の金属基盤への集中集積も検討する。高分子化学的手法を積極的に用いた新しい複合材料の創製が本研究のもう一つの目的となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
成果発表を次年度の国際会議に持ち越したため。 8月にアメリカ化学会国際会議での成果発表を行う。
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Research Products
(5 results)