2014 Fiscal Year Annual Research Report
らせんラダー型ポリシルセスキオキサンの合成と発光分子とのハイブリッド化
Project/Area Number |
24550138
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金子 芳郎 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (80404474)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ポリシルセスキオキサン / POSS / キラル / 色素 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度と同様に、カチオン性色素へのキラリティー誘起を可能にするための基盤となるアニオン性(スルホネート基含有)ラダー状ポリシルセスキオキサン(PSQ)の合成を検討した。合成はメルカプト基含有の有機トリアルコキシシランを水酸化ナトリウムと過酸化水素の混合水溶液中で加水分解/縮合反応することにより行った。生成物の29Si NMRスペクトルよりT3ピークが主に観測され、IRスペクトルからは1153および1041 cm-1にシロキサン結合由来の吸収ピークが観測された。また静的光散乱測定によるZimmプロット法から算出された重量平均分子量は約7000であった。さらにXRDパターンからはヘキサゴナル積層構造を示す3本の回折ピークが観測されロッド状ポリマーの形成を確認した。以上の結果よりラダー状構造のPSQが形成されたことが示唆された。カチオン性色素へのキラリティー誘起については、今後の検討課題である。 一方、キラリティー誘起挙動とシルセスキオキサンの構造や分子量の相関性について検討するため、キラル基含有かご状オリゴシルセスキオキサン(POSS)の合成を行った。キラルなグリシジルメチルエーテルとアミノ基含有POSSを反応させ目的の化合物を得た。このキラル基含有POSSとアキラルなアニオン性ポルフィリン(TPPS)を水中で混合し、円二色性(CD)スペクトル測定を行ったところ、TPPS由来の吸収帯でピークが観測されず、キラリティーが誘起しないことが分かった。同様な置換基を有するキラル基含有ラダー状PSQではTPPSへキラリティーを誘起することが可能であったため、ポリマーのコンフォメーション由来のキラリティーが重要であることが示唆された。
|