2014 Fiscal Year Annual Research Report
極低温におけるバルクへテロ接合の電子輸送特性の研究
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24550147
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
田島 裕之 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 教授 (60207032)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Photo-CELIV / 有機薄膜デバイス / 有機スピントロニクス / CELIV |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では極低温でのバルクへテロ接合の研究を行うために、光CELIV法の実験を行った。この実験では光で生成したキャリアのモビリティをはじめとして、種々の物性量を求めることができる。 本研究の遂行に関連する重要な変更事項としてして、申請者の所属の変更があった(平成25年 東京大学物性研究所→兵庫県立大学物質理学研究科)。スペース等の関係から、物性研究所のときに用いた18T超伝導磁石、クライオスタットは、兵庫県立大学に持ち込むことができなかったので、代わりに5Tヘリウムフリー超伝導磁石、クライオスタットを移設し、測定プローブの作成、立ち上げを行い、新規な測定システムを構築した。5Tヘリウムフリー超伝導磁石は、物性研においてほとんど利用されていなかったため、種々の点で調整をする必要があり、このため多大な予算と時間を要した。新しいシステムを立ち上げるに当たって、従来の実験システムになかった、レーザーパルス光強度モニターを設置し、光強度をCELIV測定と同時にモニターできるようにした。このパルス光モニターシステムは極めて優秀であり、これによりレーザー光強度の揺らぎを補正してシグナル強度を求めることができるようになった。また、申請者が赴任した兵庫県立大学の研究室では、これまで有機薄膜デバイスを作成した経験を有する者がいなかったため、デバイス作成法を学生に教えた。これら一連の立ち上げ作業により、実験が遂行できる環境を整えた。現在光CELIVシグナルの磁場依存性の実験を行っている。
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