2014 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールの環反転を利用したホウ酸捕捉デバイスの開発
Project/Area Number |
24550148
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯浅 英哉 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (90261156)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環反転 / 蝶番糖 / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2分子のホウ酸と共有結合を形成しながら環反転するシロイノシトールの性質を利用したホウ酸センサーの開発を当初の目標としていた。しかし、イノシトール誘導体の合成における様々な問題点が浮かびあがるいっぽう、キシロース誘導体の環反転を利用した、リポソームの開発が好転しだしたため、こちらに研究の中核をシフトすることとなった。当研究室では以前に、糖の環反転を利用したシグナル応答性分子である蝶番糖をキシロースから合成している。これはアミノ基と金属イオンとのキレート形成によりキシロピラノシドのオールエクアトリアル配向の置換基がオールアキシアル配向へと変化する性質を利用したものである。本研究では、前述の蝶番糖のシステムを利用した刺激応答性リポソームの開発を目指し、1,3位に長鎖メチレン基(C8またはC16)をもつ2,4-ジアミノキシロピラノシド(蝶番糖)を合成し、その機能評価を行った。1H NMR測定によって、Zn2+を添加することで立体配座が4C1型から1C4型に変化し、そこにH+を添加することで4C1型に戻ることを確認した(Fig. 1)。浸透圧応答測定および電子顕微鏡観察によって、C8蝶番糖は水中でZn2+を添加することでリポソームを形成することを確認した。C16蝶番糖はZn2+の有無にかかわらずリポソームを形成した。蛍光顕微鏡によって、C8蝶番糖はZn2+の有無にかかわらず蛍光分子を封入でき、Zn2+存在下ではHCl添加によって封入物を放出することが観察された。
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