2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24550152
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小川 和也 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (50335486)
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Keywords | 二光子吸収 |
Research Abstract |
本研究の長期的な目標は、未来の三次元位置選択的光機能材料およびそれに関連する非線形光学材料、エレクトロフォトニクス材料の開発である。発光性高効率二光子吸収色素を目指した環状パイ共役分子の合成と光特性の解明を目指している。全体の大きな流れとし て、まず既知法により高発光色素のハロゲン体を合成し、Pd触媒によるカップリング反応によりTMS-アセチレンを導入し、TBAFによって脱保護することで各原料を合成し、環状分子を合成する。 25年度はカルバゾールを用いた環状巨大パイ共役分子4merの合成と物性評価を行った。90度の結合角を可能とするカルバゾールのジヨード体を既知法によって合成した。合成したジヨード体をPd触媒を用いたカップリング反応でTMS-アセチレンを導入し、TBAFによって 脱保護し単量体を得た。酸化剤を用いて単量体同士をホモカップリングさせ4量体および5量体の混合物を得た。 この混合物をGPCによって分離し4量体を単離した。分離後、環化が不十分であったため4量体を再び酸化剤を用いて反応させ環状体を合成した。NMRおよび質量分析により同定をおこなった。可視紫外吸収スペクトル蛍光スペクトルを測定して光学特性を評価した。蛍光量子収率は30%程度であり発光材料として有望であることがわかった。二光子吸収断面積の測定が今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定ではカルバゾールを用いた環状巨大パイ共役分子4merの合成と物性評価であるが、目的化合物の合成に成功し、可視紫外吸収スペクトル蛍光スペクトルを測定して光学特性を評価しており、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
カルバゾールとさらにポルフィリンを用いた環状パイ共役4量体の合成と物性評価を行う。
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