2014 Fiscal Year Annual Research Report
非古典的手法を用いた光学活性超分子有機発光体のキラルな光学特性制御
Project/Area Number |
24550165
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
今井 喜胤 近畿大学, 理工学部, 講師 (80388496)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 円偏光発光 / 円偏光二色性 / 光学活性 / キラル / 蛍光 / 超分子 / ビナフチル / CPL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、省資源・省エネルギー的手法を用いて、円偏光発光(CPL)特性を有する有機発光体の開発を目的としている。一般的に、光学活性材料のキラリティーに基づく光学特性を反転させるには、逆のキラリティーを有する光学活性物質を用いる。本研究では、同じ絶対配置を有する光学活性有機発光体の非古典的円偏光発光(CPL)特性制御について検討した。 まず、2個の発光性ピレンユニットをジエチルエーテル鎖を用いて連結した軸不斉ビナフチル発光体1,1'-binaphthalene-2,2'-diylbis(oxy-2,1-ethanediyloxy-2,1-ethanediyl)-1-pyreneacetic acid ester (1)の非古典的CPL特性制御について検討した。(R)体の発光体(R)-1のchloroform溶液中におけるCPLスペクトルを測定したところ、ピレンのエキシマー発光由来のCPLを観測した。興味深いことに、PMMA film中では、chloroform溶液中におけるCPLと比べ、CPL波長は大きくブルーシフトし、chloroform溶液中では負(-)のCPLを発したのに対し、PMMA film中では正(+)のCPLを発し、CPLスペクトルの符号を反転させることに成功した。 続いて、天然物である光学活性酒石酸を原料とし、4個の発光性ナフタレンユニットを備えた酒石酸誘導光学活性有機発光体(2)のナフタレン環の置換位置(1位あるいは2位)に基づく非古典的CPL特性制御について検討した。キラル源としては同じ絶対配置を有する光学活性酒石酸を用いたにもかかわらず、発光性ナフタレンユニットの置換位置を変えるだけで、同じ絶対配置でありながら、CPLスペクトルの符号を反転させる事に成功した。
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