2012 Fiscal Year Research-status Report
多機能性を有するナノユニット複合金属酸化物触媒の開発
Project/Area Number |
24550181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
染川 正一 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部開発第二部材料技術グループ, 副主任研究員 (20520216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 洋人 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部開発第二部材料技術グループ, 副主任研究員 (00500901)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金属酸化物 / 1-2nmの細孔 / シリカ / 複合 / 触媒活性 / 細孔構造 |
Research Abstract |
本研究ではこれまで培ってきた金属酸化物触媒の合成・複合技術と、ナノオーダーの均一細孔径を持つポーラスシリカ作製技術を組み合わせた新規触媒・光触媒開発、触媒の量子サイズ効果に関する基礎データ取得を目的としている。一年目は様々なナノサイズ金属又はその酸化物を1-2nmの均一な細孔を持つポーラスシリカと複合させ、その物性と触媒活性特性などの基礎データを収集・解析した。下記にその概要を記す。 主にCe,Co種を1-2nmの均一な細孔を持つシリカ内に2種類の方法で導入を試みた。すなわち(i)ポーラスシリカ合成と同時に導入、或いは(ii)あらかじめ作製したポーラスシリカに浸漬させることで導入させる方法である。Co,Ce種は全て硝酸塩として導入させた。上術の細孔構造、吸脱着特性、触媒活性特性の解析結果より、下記の点(①~⑧)が推測された。①Ce化合物を同時合成(i)で導入した場合、10 mol%辺りからシリカのポーラス構造は崩壊が始まった。②Co化合物を同時合成(i)で導入した場合、18 mol%でもシリカのポーラス構造は崩壊しなかった。③同時合成(i)の場合、Ce化合物は細孔壁表面に析出しやすい傾向がある。④同時合成(i)の場合、Co化合物は細孔壁~シリカ壁の内部に向けて析出しやすい傾向がある。⑤浸漬法でシリカ孔へCo化合物を導入(ii)した場合、最高で4 mol%強の導入が可能であったが、細孔を塞ぐほどの量ではなかった。⑥Coの場合、触媒活性は(i)より(ii)のほうが高かった。⑦Ce,Coの複合は、(ii)で行い、Ce,Coを同時に入れたときの活性が高かった。⑧Ce,Co以外の多種の金属種も導入可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・合成物の性質を知るうえで触媒活性の温度依存性や脱離特性のデータが必要であると判断したため、触媒反応解析を前倒して実施し、化合物の性質に関する多くの知見を得ることができた。前倒しの影響で金属酸化物のシリカへの導入方法の開発は遅れ気味となっているが、これまで得られた知見を活かして二年目前半で複合、新規材料合成に力を入れる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)Co,Ce系の調査⇒Ce,Co触媒については継続的な測定と得られた結果の解析を続けて、金属酸化物種の挙動を調べ、最適な複合について考察を行う。CoについてはCoOが主成分と考えられ、触媒活性の高いCo3O4になりにくいことから、Co以外で以前我々が見出していたCuO-Co3O4-CeO2触媒に習い、CuOとの複合効果も見出す。合成手法についても、最適な複合が可能なように、種々の方法を試みる。 (2)Co,Ce系(+Cu)触媒の耐熱性調査⇒700℃以上の高温雰囲気下における耐熱性についてバルク等と比較した調査を行う。 (3)人工光合成等、光触媒機能への応用⇒得られた種々のシリカ複合金属酸化物の挙動を解析し、光触媒として働く物質の量子サイズ効果を利用するなど、適応範囲を広げる。触媒-助触媒の複合効果を利用した電子伝達系を構築し、光を用いたCO2還元等について研究を行う予定である。高効率な新規材料を開発する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高額のものとして、超高圧水銀ランプ一式(100万円)、合成兼用触媒・光触媒評価装置一式(80万円)、ガス発生器(30万円)、残金は消耗品と学会参加費に充てることを予定している。
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