2014 Fiscal Year Annual Research Report
自発的チオエステル形成ユニットを用いる蛋白質の選択的標識反応の開発
Project/Area Number |
24550187
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川上 徹 大阪大学, たんぱく質研究所, 准教授 (70273711)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生体分子 / ペプチド / タンパク質 / チオエステル / 部位特異的修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに,Cys-Proエステル(CPE)構造をカルボキシ末端に有するペプチドが,自発的にペプチドチオエステルへ活性化され,ペプチド縮合法に利用できることを見出している.本研究ではこの自発的活性化法を用いて,蛍光団などの標識基を部位選択的に蛋白質に導入する方法の開発を目的とした.CPEペプチドはそれ自身ではアシル化の反応性を有さないが,系中で自発的にチオエステルへと変換されてアシル化活性を獲得する.したがって,標的蛋白質へ結合するまでの非特異的な反応や分解を抑制できると考えられる. 平成24年度には,リガンド結合型自発的活性化ユニットの設計し,その構造ではチオエステルへの変換速度の向上が見られた.それを用いてPTH(1-34) 誘導体を用いる細胞表面上PTH受容体の共有結合による蛍光標識に着手し,蛍光顕微鏡観察によって細胞の受容体発現部位に蛍光が確認できた. 平成25年度は,標的蛋白質に対して確実に共有結合による修飾を確認するために,モデル蛋白質を用いてその結合配列を有するペプチドチオエステルとの反応を検討したが,確実な共有結合を確認することができなかった. 平成26年度には,チオエステルと反応して選択的にアミド結合を形成させる目的で,チオール選択的に反応し,1,2-アミノチオール構造を導入するリンカーを開発することができた.本成果は未発表であるが,自発的チオエステル形成ユニットを用いる新たな選択的標識反応への利用が期待される.一方で,自発的活性化ユニットを用いて,配列内にシステイン残基を含む組換え蛋白質のN末端システインと選択的に反応させる新たなヒストンH3(135残基)の合成法を確立した.
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Research Products
(10 results)