2013 Fiscal Year Research-status Report
細胞内でのnon-B DNAの構造変化のダイナミクス研究
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24550188
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
CHOI Jungkweon 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00574328)
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Keywords | Non-B DNA / i-motif DNA / Electron Transfer / RecA protein / G-quadruplex |
Research Abstract |
DNA は細胞内では二重らせん構造だけではなく、三重らせん、四重体DNAなどの非B型 構造をとり、遺伝子発現過程に影響する。我々、最近、四重体DNAの電荷分離過程を解明し、その特異性について明らかにした。癌遺伝子やテロメアで観察されるシトシン(C)からなる塩基配列は、酸性条件下でのi-motifという四重体構造を形成する。 テロメア配列であるd(5'-(CCCTAA)2CCC-PyUAA-CCC-AQU-3'))のDNA 22-mer一本鎖中に、ピレン(Py)とアントラキノン(AQ)をそれぞれ電子供与体(D)と電子受容体(A)として修飾し、二重らせん構造のDNA とi-motif四重体での光誘起電子移動を観察したところ、前者ではDとA間の電子移動が起こらないが、i-motif四重体では電子移動が速く効率的に起こった。これは、i- motif四重鎖がワイヤ(電子キャリア)として有用であることを示す。 さらに、DNAの相同組換えを触媒するタンパク質RecAに注目し、ヒトテロメア配列(配列:5’-TAG3(T2AG3)3T2-3’)との相互作用をバルクレベル、単一分子レベルの両面から明らかにした。得られた結果から、あらかじめRecA@単鎖DNAを形成しておいた状態からでもK+によってヒトテロメア配列がG-四重鎖を形成することから、K+存在下においてはG-四重鎖構造がより有利な構造であることが示された。さらに、ヒトテロメア配列におけるG-四重鎖はRecA2つと結合して複合体を形成し、そのG-四重鎖は特異的にmajor体構造をとることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに進んでおり、in vitroでnon-B DNAの構造変化及び各条件下で熱力学的安定性について得られる結果をまとめて論文を作成している。しかし、細胞内non-B DNAの分布を確認するために使った蛍光受容体(Acceptor)および供与体(Donor)が細胞内で分解されることが観測されで細胞内でnon-B DNAの構造変化の研究はまだできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroで得られた結果をもとに生きている細胞内でG-quadruplex DNAの構造変化のダイナミクスを明らかにする。細胞内で分解される蛍光分子をもっと安定した蛍光受容体(Acceptor)および供与体(Donor)に交換して、細胞内に投入した後、高い空間分解能(数nm-数十nm)と時間分解能(<50 ps)を持つ共焦点蛍光顕微鏡システムを使用して蛍光強度を測定し、細胞内での構造変化を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費が繰越されて、平成25年度の研究費が増加したので研究費が残るました。 DNA Sequence外注と細胞培養試薬及び実験道具の消耗品購入する予定です。そして、学会発表の旅費としで使用する予定です。
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