2014 Fiscal Year Annual Research Report
連結部位に発光性基を配置した多機能性ブロック共重合体の合成と有機EL素子への展開
Project/Area Number |
24550209
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
荻野 賢司 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10251589)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブロック共重合体 / 有機EL素子 / 連結部位 / 自己組織化 / 多機能多相系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、接合部位に発光性単位を配置した正孔輸送性部位と電子輸送部位からなる多機能性ブロック共重合体し、有機電界発光(EL)素子へ展開することを目的としている。平成24,25年度は接合部位に緑色の色素を配置した、ブロック共重合体を主に合成してきたが、発光特性が芳しくなかった。平成26年度は、赤色発光部位となる2,1,3-ベンゾチアジアゾール(BT)単位を接合部に有する、ポリフルオレンとポリトリアリールアミンからなるブロック共重合体を合成し評価した。第一段階の鈴木-宮浦カップリング重合により両末端にBT単位を有するポリフルオレンを合成した後、C-Nカップリング重合により、ブロック共重合体に変換した。合成したブロック共重合体は汎用の有機溶媒に溶解し、溶液とフィルム状態においてほぼ同様の紫外可視スペクトルを与えた。一方、蛍光スペクトルでは溶液中では、ポリフルオレンからの発光が支配的だったが、フィルム状態ではBT単位からの発光が強調された。また、比較のためにBT単位をポリフルオレン中、またはポリトリアリールアミン中に含むブロック共重合体も合成した。これらの合成したブロック共重合体からEL素子を作製し評価した。その結果、BT単位を接合部に含むブロック共重合体において最も高い輝度及び電流効率を示した。何れの素子からも赤色のBT部位由来のEL発光のみが観察されたことから、接合部にBTを有するブロック共重合体において、再結合の効率が向上したことが原因と考えられる。相分離したポリフルオレンとポリトリアリールアミンの界面にBT部位が存在することで、トラップサイトとして機能したため再結合の確率が向上したと考察した。
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Research Products
(2 results)