2013 Fiscal Year Research-status Report
3次元LSI配線に向けた金属/ポリマー導電体におけるナノ粒子の役割
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24550218
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
川喜多 仁 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (50296745)
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Keywords | 導電機能素子 |
Research Abstract |
研究の全体構想は次世代3 次元LSI における縦型・微細な導電配線を実現することである。申請者は光アシスト効果を用いて溶液中から新奇な金属/導電性ポリマー複合体を創出し、先行技術の10 倍以上の速さで導電配線を形成できることを見出した。課題はさらなる低抵抗化のための材料原理の確立である。研究の目的は、金属の存在状態(含有率、サイズ、形状)と導電率との関係を解明することである。学術的特色は、金属ナノ粒子を利用することで、金属/ポリマー複合体の導電性に関する新たな複合則を提案することである。期待される結果として、現状の数時間かかる導電配線の形成が数分まで短縮され、次世代3次元LSIの生産効率が大きく向上する。 当該年度では、主として金属/導電性ポリマーの導電率の算出を行った。具体的には、以下の通りに行った。 金属/導電性ポリマーについては前年度に作製した金属銀/ポリピロール(ドーパント:硝酸およびテトラフルオロホウ酸)を用いた。金属/導電性ポリマーを塗布法によりガラス等の基板上に形成した。導電率は、測定した抵抗値と形状寸法より算出した。抵抗値の測定では、4探針法および微小プローブ法を用いた。形状寸法については、基板上に形成した金属/導電性ポリマーの厚さ(高さ)がサンプルによって異なるため、顕微鏡による断面観察または表面粗さ計を用いた段差計測により金属/導電性ポリマーの厚さを決定した。 サンプルの厚さを決定するために必要な加工が断面観察よりも簡便な段差計測を導入することで、導電率の算出に要する時間を短縮することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究の目的は、金属/導電性ポリマーにおける金属の存在状態(含有率、サイズ、形状)と導電率との関係を解明することである。 この研究目的を達成するため、当該年度は主として金属/導電性ポリマーの導電率の算出を行った。 なお、簡便なサンプル加工手法を導入することで、金属/導電性ポリマーの導電率の算出に要する時間を当初の想定よりも短縮することができた。 以上より、研究の目的の達成度について、当初の計画以上に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策について、金属の存在状態(含有率、サイズ、形状)の評価を行う。 具体的には、SEM による観察やEDS による元素分析を行う予定である。
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Research Products
(19 results)