2013 Fiscal Year Research-status Report
非線形光学特性を発現する非対称アリールオリゴシランの簡便合成法の開発
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24550221
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山野井 慶徳 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20342636)
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Keywords | ケイ素 / 蛍光 / 非線形光学特性 |
Research Abstract |
平成24年度までに非対称ジアリールジシランD-Si-Si-A型分子の合成法の開発を行い、一部の化合物については2次の非線形光学特性を発現することを見い出した(D:ドナー置換芳香族基、A:アクセプター置換芳香族基)。その非線形光学特性は、標準物質の尿素の3.3倍程度であることがわかった。平成25年度はこれらの化合物の光学特性を調査し、蛍光波長のシフト具合や量子収率の大小と化学構造の関連性を議論した。その結果、電子供与基として4-フェノキシフェニル基、電子求引基として4-エトキシカルボニルフェニル基を導入したジシラン化合物が、量子収率が固体状態で0.81で強い青色発光を示すことがわかった。これらの吸光、発光の過程を調査するために、DFT並びにTD-DFT計算を行った。 平成24年度並びに25年度中に得られた成果をD-Si-Si-A-Si-Si-D型とA-Si-Si-D-Si-Si-A型分子という新規非対称ジアリールオリゴシラン類に拡張し研究を展開した。分子合成並びに光学特性の調査の結果、D-Si-Si-A-Si-Si-D型分子が優れた光学特性を発現することがわかった。その量子収率は0.85で強い青色発光を示すことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に関連して、論文並びに学会発表を積極的に行っており、研究は順調に進行していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は最終年度なので、平成25年度に行ったD-Si-Si-A-Si-Si-D型とA-Si-Si-D-Si-Si-A型の非対称ジシラン分子の合成・光学物性に関する結果をまとめ、学会、論文に報告するとともに、当初の目的であった非対称テトラアリールペンタシランの合成と光学特性を調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用額が生じた要因は研究の進捗状況に合わせ、予算執行計画を若干変更したことに伴うものである。 未使用額も含め次年度には当初の計画通りの研究を進め、全額を使用する計画である。
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