2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24550222
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
務台 俊樹 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (80313112)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光物性 / 蛍光発光 / 有機固体 / 結晶多形 / ESIPT発光 / 計算化学 / イミダゾピリジン / AIE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2'-ヒドロキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン(HPIP)の固体ESIPT発光に着目し、化学修飾による大きな電子状態制御(粗調整機構)と分子集積構造変化による微小の発光特性制御(微調整機構)を「二元制御機構」ととらえ、固相発光を広範かつ段階的に制御する方法論を確立し新しい有機固体発光材料の創成を目的とする。 本年度は、かさ高いアリール基を有するHPIP誘導体について、その種類や置換位置に依存して発光特性が系統的に変化することを見出し、382(青色)~630 nm(赤色)の幅広い領域で固体ESIPT発光を示す化合物群を合成した(J. Mater. Chem. C, 2016, 4, 3599)。これらアリール体は結晶多形を形成しなかったことから、かさ高い置換基を用いると粗調整機構のみを選択的に利用できる可能性が示された。 研究期間全般を通して、まずHPIPのESIPT発光特性に対して置換基の種類や位置、数が与える効果について、単分子状態での固体吸収/発光測定や計算化学により評価し、合成化学に基づく粗調整機構を合理的に説明した(J. Org. Chem. 2013; J. Mater. Chem. C, 2016など)。 また数種類のHPIP誘導体が結晶多形に依存するESIPT発光を示した。特に3色の発光を示した6-シアノHPIPは結晶多形と発光特性との関連性を検討する適切な系であり、分子軌道計算(TD-DFT, FMOなど)より、最近接分子との相互作用が発光特性に重要であることが示された(CrystEngComm, 2014; Phys. Chem. Chem. Phys. 2014など)。これより微調整機構の基本的な考え方を明らかにした。 以上の成果より、合成化学と超分子化学の二元機構による固体発光制御という方法論の有用性を明らかにした。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 有機超分子の発光化学2015
Author(s)
務台 俊樹
Organizer
大阪市立大学 第74回白鷺セミナー
Place of Presentation
大阪府立大学(大阪府堺市)
Year and Date
2015-10-26 – 2015-10-26
Invited
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