2013 Fiscal Year Research-status Report
究極の分離膜としての無欠陥超薄膜創製を目指した可溶性2次元ポリマー1分子膜の合成
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24550223
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
垣花 百合子 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (90592014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 俊樹 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80212372)
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Keywords | 分離膜 / 可溶性 / 二次元 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来には存在していない、より高度な機能と自己支持性を有する超薄膜の開発を目指して、考えうるもっとも薄い厚み(=原子の厚み=数オングストローム、サブナノメーター)を持ち(=最超薄膜)、かつ欠陥を持たない膜(=無欠陥膜)を得るために、2次元(シート)ポリマー合成法を開発し、このポリマー1分子からなり、ある程度の面積を持つ最超薄膜(巨大1分子膜)の創製を実現することである。ここで特に問題となるのは2次元(シート)ポリマーのその構造がゆえの低い可溶性あるいは不溶性である。このことは成型そのものを困難とする。 本年度は、これを避ける意味で、まず低重合度の2次元(シート)ポリマーのプロトタイプであるラダーポリマー合成を最初の目的として、モノマーを超分子的にラダー構造的に配列させる事を計画し、具体的には2次元構造である平面ラダー構造をとる含素ケイ素ポリマーである、有機基でリンクした超分子ラダーポリシロキサンを設計、調製した。 次にこのモノマーの重縮合を行い、有機基でリンクしたラダーポリシロキサンの合成を試みた。 これにより不完全であり、キャラクタリゼーションは完成していないが、考えうるもっとも薄い厚み(=原子の厚み=数オングストローム、サブナノメーター)(=最超薄膜)の膜の部分構造を得ることができたと考えている。今後このポリマーを複合膜化しその機能を調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合成段階が進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたラダー型2次元ポリマー(2Dポリマー)の複合化を検討し、その分離膜としての基本性能を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は昨年度に引き続きラダー型2次元ポリマーの合成を行っているが、本研究で最終目的化合物の完全合成にはいたっていない。そのため最終目的化合物の成形に必要な装置(スピンコーター)の購入が見送られた。 次年度は最終年であるため、本研究で最終目的化合物の完全合成を行い、成形に必要な装置の購入を行う。
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