2013 Fiscal Year Research-status Report
シリカ系構造単位の設計による新規ナノ空間材料の創製
Project/Area Number |
24550229
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
下嶋 敦 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (90424803)
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Keywords | 多孔体 / シリカ |
Research Abstract |
本研究課題では、シロキサン系ナノ構造単位のボトムアッププロセスによる機能性シリカ系ナノ多孔体の合成を目的として、1)シロキサン骨格中への触媒活性点となるヘテロ元素(Al, Tiなど)の位置選択的な組み込み、2)光機能性有機リンカーを用いたシロキサンユニットの連結、の二つの項目について主に検討を行っている。H25年度は以下の成果を得た。 1)キューブ状のシロキサン化合物(R8Si8O12, R = OH, H, 有機基)は多孔性骨格の基本単位として有用である。骨格中にヘテロ元素を位置選択的に導入するには、8つの頂点のうち一つの頂点に反応点を導入することが有効である。そこで、Si-H基を有するH8Si8O12に対して7等量のtBuOHを反応させることによって7頂点をかさ高いOtBu基で保護し、1頂点のみにSi-H基を有する新しい化合物の合成を行った。Si-H基はSi-OH基に変換可能であるため、Si-O-AlやSi-O-Ti結合形成に利用可能である。 2)前年度に引き続き、光応答性分子であるアゾベンゼンをリンカーとして用いた有機シロキサン系多孔体の合成について検討した。アゾベンゼンの両端にトリアルコキシシリル基が結合した分子を合成し、酸性条件下での加水分解・縮重合反応によって得られる生成物について評価を行った。その結果、アルコキシ基の加水分解によって分子集合が起こり、板状粒子が析出することが確認された。アゾベンゼン同士の相互作用によりラメラ構造が形成されたと推定された。多孔体化に向けては、反応条件のさらなる検討や鋳型の導入が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究目的を達成するために有用な知見が得られつつあるが、現在までのところ、構造単位の合成や骨格形成法の検討にとどまっており多孔体の合成には至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、これまでの成果をふまえ、多孔体化に関して集中的な検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度より所属機関が変更となったことで、当初の予定よりも研究の進捗にやや遅れが生じH25年度支出額が減少した。 当初の計画でH25年度に予定されていた一部の実験をH26年度に行うにあたり、その分の物品費(主に薬品やガラス器具などの消耗品)に充てる予定である。
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