2012 Fiscal Year Research-status Report
可視光応答型GaN:ZnO固溶体光触媒の固体窒素源を用いた新規合成法の開発
Project/Area Number |
24550232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉浦 隆 岐阜大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40171144)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光触媒 / 窒化ガリウム / 光水分解 / 人工光合成 / 固体窒素源 |
Research Abstract |
水の光分解による水素製造を目的として可視光に応答する光触媒の探索が続けられている。本研究では可視光に応答可能な酸窒化物半導体としてGaN:ZnO固溶体の合成について、固体窒素源を用いた新規合成法の開発を進めるとともに、その光電気化学特性、光触媒特性の評価を行うことを目的としている。通常これらの合成には原料金属をアンモニア気流中で加熱したり、窒素を原料として高温・高圧下で反応させたりする方法がとられているが、固体窒素源を用いることでアンモニアのような腐食性ガスの後処理の問題を避けることができ、原料の利用効率の向上や窒素などの不活性雰囲気におけるマイルドな反応温度での合成が可能になると期待できる。 固体窒素源である窒化リチウムと酸化ガリウム、酸化亜鉛を混合して窒素雰囲気、常圧下で 550~700 ℃で数時間加熱するという簡単な方法でGaN : ZnO固溶体粉末を合成することに成功した。得られた試料はX線回折、拡散反射スペクトル測定、透過電子顕微鏡などによる評価を行った。原料混合比を変化させることで固溶体の組成も制御できることが分かったが、副生成物として窒化ガリウムが含まれることも分かった。また、光電気化学測定により得られた固溶体粉末は可視光に応答して、n型の半導体挙動を示すことがわかった。 今後、原料組成、原料金属の選択などによって固溶体組成の制御を行いその物性評価を行う。また、さらに光電気化学的評価を進めるとともに助触媒担持を行って水の光分解挙動についても検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は合成条件の最適化について行った。窒素中、大気圧下というマイルドな条件で、金属源として酸化ガリウムと酸化亜鉛を用い、固体窒素源として窒化リチウムを用いることによって固溶体粉末の合成に成功した。また、ガリウムと亜鉛の仕込み比を変化させることで、生成される固溶体の組成比も制御できることをみいだした。粉末X線回折測定や透過電子顕微鏡観察、拡散反射スペクトルスペクトルなどによって、当初予定した固体窒素源を用いたGaN:ZnO固溶体粉末が合成できたことを確認している。得られた粉末の光電気化学特性測定によってn型の光応答を示すことも確認しており、今後、光触媒特性評価を行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
GaN:ZnO固溶体合成について、原料の選択、組成を変化させ粉末合成条件の最適化を行う。特に、電極化して光電気化学的評価を行い、より光活性な粉末の合成条件を検討する。 酸化ロジウムや酸化クロムなどの助触媒を担持し、実際に水の光触媒分解を試み、その活性向上のための固溶体合成条件の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・ガラス器具、試薬などの消耗品に使用する. ・情報収集・成果発表に関する旅費として使用する.
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Research Products
(3 results)