2014 Fiscal Year Annual Research Report
高圧反応による共有結合性金属化合物群の創製と新規超伝導体の探索
Project/Area Number |
24550233
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福岡 宏 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00284175)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高圧 / 超伝導 / 金属間化合物 / Zintl相 / 高圧合成 / 強相関系 |
Outline of Annual Research Achievements |
【最終年度の成果】 共有結合性金属間化合物の創製・発展を目指した本課題では、新規超伝導体の合成とその結晶構造、電子構造の解明を一つの大きな柱として研究を行ってきた。その結果、La-Lu-Ge三元型に置いて、最高の超伝導転移温度(Tc)が9.4 Kを示す新しい超伝導体の発見に成功した。本化合物は、La-Ge、Lu-Ge二元系を含め、この系において最高のTcを持つ化合物である。また、Sr-Ge系においてもTc = 6.0 Kの新化合物の高圧合成に成功した。これらの超伝導体については、結晶構造解析、バンド計算を行い、いずれも共有結合性金属間化合物群に属する超伝導体であること、超伝導の発現にホストであるGeの共有結合性骨格が重要な役割を果たしていることを明らかにすることができた。 【研究期間全体での成果】上記以外の重要な成果を以下に記す。 1. 以前私のグループが合成に成功したTc = 3.6 Kを持つLu-Ge系超伝導体の結晶構造に成功し、その組成がLu2Ge5であることを明らかにした。2.シェブレル相Mo6S8の初めての多形となるMo3S4の高圧合成に成功し、本化合物がシェブレル相とは異なり、MoS6八面体が面と稜を共有して連結した興味深い構造を持つことを明らかにした。3. Na-Ge系において、新たにNaGe2という組成をもつ新化合物の合成と結晶構造の解析に成功した。本化合物は電子軌道計算の結果、とても珍しい電子不足型の共有結合性金属間化合物である。4. Ce-Ge-Sn三元型において、重い電子系で有名なCeSn3型構造を有する固溶体の全率合成に成功し、この系が価数揺動系であること、Ceイオンの価数が3.4 価から4価に連続的に変化することを、ICFモデルを適用することによって明らかにした。 以上により、共有結合性金属間化合物群の物性と構造に関する多くの知見を得ることができた。
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