2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24550237
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
渡辺 友亮 明治大学, 理工学部, 教授 (30345392)
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Keywords | アンモノサーマル / 白色LED / 窒化物 / 酸窒化物 / SrAlSiN3 / 光触媒 / Ta3N5 / CaAlSiN3 |
Research Abstract |
本研究課題は3カ年計画であり、本年度で2年度目となっている。 初年度の研究計画は、従来から用いてきたアンモノサーマル合成用の反応装置の問題点の洗い出しと新規装置の設計であった。最も重要な問題は反応装置の一部分が低温となり、試料導入部に十分な超臨界アンモニアが充填されないことであることが判明した。この問題を解決するために、アンモニアが封入されている反応容器の多くの部分を均一の温度とすることがもっとも有効であると考えられ、その点を考慮して新しいアンモノサーマル装置の装置設計を行った。 本年度ははじめの研究計画の通り、反応容器の低温部の最小化を目指し新規装置の試作を行った。具体的にはガス配管のデッドボリュームを徹底的に削減し、反応容器の容積の全体に対する比率において最大化を目指した。その後、実際に試作した装置を用いて光触媒であるLaTaON2の合成を行い、その光触媒活性評価を行い良好な結果を得た。現在は、昨年度もアンモノサーマル法による合成実験を行い、固相法によるものよりも低温での合成に成功したSrAlSiN3:Eu系を対象として新規開発した本装置の性能評価を行っているところである。 これらのデータを有効に活用すれば次年度以降の研究に直接応用可能となり、白色LED用の窒化物蛍光体の新規開拓や特性向上、さらには次世代エネルギー創成用の可視光応答型水分解光触媒であるTa3N5系の光触媒活性の向上が見込めると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題ではすでに申請者らが成功しているCaSiAlN3の金属合金出発金属アミン錯体経由アンモノサーマル合成法を進化させて、高結晶性の各種複合(酸)窒化物を低温で合成することを目標としており、なかでも可視光応答型光触媒として期待されているLaTaON2,LaNbON2の、良好な結晶性を持った粉末合成から実験を対象としていた。その後、実際の触媒活性評価の結果をフィードバックし、化合物を選定・設計し、合成を行う予定である。特に、LaTaON2に関しては堂免らが気相法で合成、活性を測定したが、予期される活性より極端に低い活性しか得られていない結果が報告されており、本方法による高結晶性の試料との比較検討が重要である。本年度はLaTaON2に関して合成実験を行い、既知の合成方法よりも低い温度での合成に成功しており、現在活性の評価を行っているところである。これは申請書に記載した実験計画と照らし合わせて、本課題の進捗状況としておおむね順調であるといえると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、昨年度もアンモノサーマル法による合成実験を行い、固相法によるものよりも低温での合成に成功したSrAlSiN3:Eu系を対象として、その発光特性を測定することにより新規開発した本装置の性能評価を行っているところである。従って、種々の合成条件で複数のSrAlSiN3:Eu系蛍光体の合成を行い、その特性と合成条件の相関を観察していく予定である。また、本年度成功したLaTaON2の低温合成に関しても、来年度においては種々の合成条件で複数のLaTaON2の低温合成を行いその特性と合成条件の相関を観察していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新規装置製作にほかの研究予算で購入した物品が流用可能であったため、当初の研究予算よりも少ない金額で目標を達成できたため。 反応容器のバルブが予想よりも消耗が激しいことがわかったため、これらの購入に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)