2013 Fiscal Year Research-status Report
プラズモン増強効果を示す量子ドット分散微小球のゾル-ゲル法を駆使した作製と評価
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24550242
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
村瀬 至生 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 上級主任研究員 (60358158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 昌儀 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 上級主任研究員 (20356398)
川崎 一則 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (40356837)
細川 千絵 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (60435766)
鎌田 賢司 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 上級主任研究員 (90356816)
伊藤 民武 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (00351742)
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Keywords | プラズモン共鳴 / 量子ドット / 蛍光 / 増強 / ガラス |
Research Abstract |
これまで蓄積した高発光効率量子ドット分散ガラス微粒子作製技術を生かして、金属ナノ粒子を一定の厚みのガラス層で覆い、その周りに量子ドットを配置することで、プラズモン共鳴により蛍光増強効果を得ようとしている。 合成では、作り易さと安定性からクエン酸をリガンドとする金ナノ粒子を選択し、四官能のアルコキシド(Si(OEt)4、TEOS)でコートした(試料A)。この時、TEOSの量を変えることでガラス層の厚みを制御した。遊離したクエン酸を定量し、金ナノ粒子がアルコキシド分子で直接にコートされていることを確かめた。再現性の良いガラスコートのためには、合成した金ナノ粒子水溶液中の不純物を数百倍程度に少なくする必要があった。一方で、数万倍を超えて精製すると、却ってガラスコートされないことがわかった。 オレイン酸をリガンドとする量子ドット(CdSe系、発光波長620nm程度)を合成し、表面分子の一部をアミノ基を持ったアルコキシド(NH2-C3H6-Si(OMe)3, APS)で置換した。(試料B)その後、加水分解を防ぐために溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を選択して試料Aと混ぜることで、目的物を得た。試料Bを精製してフリーのAPSを除去することで、凝集・散乱を防ぐことができた。 試料評価では、3次元像を含むTEM観察で、形態を確認した。また、ガラス層が薄くなるに従って、蛍光寿命が系統的に短くなることがわかった。蛍光強度を比較するためには、目的物中の量子ドットの量を正確に知る必要があることがわかり、元素分析を行った。その結果、シェル厚10 nm強の領域で蛍光増強が得られることがわかった。吸光係数や速度定数を用いた解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガラス球に入る金ナノ粒子の数を1つにして均一な膜厚を再現性良く得るという今年度の目標を達成した。さらに凝集なく、また発光効率の低下を起こさずに量子ドットをガラス表面に付着させる方法を開発し、目的物を得た。これを用いて、蛍光強度を正確に測定、比較して、増強メカニズムを論じるところまで来た。これらの状況により、プロジェクトは全体として概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光発光過程を解析し、増強のメカニズムを明らかにする。また、最も蛍光増強する構造について、検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
プラズモン共鳴による蛍光増強について、大掛かりな計算(FDTD法)によって最適な試料の条件を導出しようとして文献検索を続けた。しかし、現状でわかっている計算方法でそれを求めるのは難しいと判断し、ワークステーションの購入をあきらめたため。 蛍光増強のメカニズムを、分光解析と試料作りにより明らかにするために研究費を使用する。
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Research Products
(15 results)