2012 Fiscal Year Research-status Report
準希薄溶液中で生成するミクロ相分離構造とグレイン構造の形成メカニズム
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24550250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 茂 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50262944)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブロック共重合体 / フォトニック結晶 / 中性子散乱 |
Research Abstract |
申請者はブロック共重合体を用いた高機能を有する3次元フォトニック結晶の創製を目指している。これまでに超高分子量ブロック共重合体の準希薄溶液中に貧溶媒を添加することにより、「単結晶」様の巨大グレインを自己組織に形成することを発見している。また、この巨大グレインを3次元フォトニック結晶として応用利用することにも成功している。H24年度は、その構造や構造形成のメカニズムを小角中性子散乱(SANS)法により、その構造形成のダイナミクスを研究することを目的とした。 試料にはポリスチレン-b-ポリメチルメタクリレート(PS-b-PMMA)を合成した。その分離試料分布(Mw/Mn)は1.39、PSの体積分率は0.57であった。中性子散乱測定はInstitute Laue Lnagevinの小角散乱ビームラインを用いた。カメラ距離は8mと39mを用いて、それぞれ散乱測定と透過率測定を行った。この条件で散乱ベクトルの大きさは2.3×10-3
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ILL (Institute Laue Langevin, France)において中性子散乱測定実験を行い、予測される結果を得た。その結果は、次年度の中性子散乱測定実験計画にも反映され、順調に研究が進呈していると考える。そのデータ解析は困難な部分を残しているが、次年度のデータと合わせれば良い解析ができると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
6月5~7日に中性子散乱測定機会(HANARO, 韓国)を確保してある。このビームタイムを利用して、25年度は異なるPS-b-PMMAを合成する。分子量は同じく106g/mol程度であるが、PSの体積分率は低くし30、50%の2種類を合成する。その他の条件は前年度と同じで、合計4種類の試料を合成する。水添加による収縮後のPS相と他方の相との体積分率が50:50より大きく偏るので、散乱能は下がるため中性子散乱測定は困難になる可能性がある。しかし、前年度の試料はPS相がマトリックスであるのに対して、これらの試料はPS相がドメインとなるため異なった構造のダイナミクスが観測できると期待できる。さらに分子の広がりの変化は測定可能であると期待できるので、計算機シミュレーションと合わせて、構造変化に関する十分な情報が得られ、当初目標の知見は得られると期待できる。さらに前年度と比較するために、前年度の試料を再合成し、本年度に重点的に中性子散乱測定を行い、次年度の実験の準備を完成する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度においても重水素化モノマーを用いてブロック共重合体を合成する。そのための重水素化モノマーは非常に高額であるので、次年度使用額(106,887円)はこのモノマー購入費に充てる予定である。
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Research Products
(13 results)